2021/10/09
坦々麺 一龍 新富町店@新富町 「濃厚海老担々麺」

少し残暑が強まった週末、例によって非常事態宣言対策の「ウォーキングがてらの一杯」。今日は、新富町から新木場方面に歩くことに決め、まずは出発点で腹ごしらえ。新富町久々の新店「一龍」へ。

8月にオープンしたことは知っており、公式HPも見ていましたが、なにせ営業時間・定休等の情報がなく、しかも実に閑静な場所にあるため、フラれると同じ街でのリカバリは難しい。もっともこの辺りは、古くから劇場を中心に料理屋などで栄えた街で、今でも「煉瓦亭」など名店が散在する、知る人ぞ知る地域。

この店のオーナーシェフは銀座「新広東菜 嘉禅」の総料理長とか、ただこの日は若きご主人と女性店員さんの2名で切り盛り。メニューは、「濃厚海老担々麺」「名物冷やし担々麺」と「絶品汁なし担々麺」、まずは筆頭「濃厚海老担々麺」(950円)をポチッとな。注文を受けると、フライパンでスープと芝麻醤をゆっくりとかき混ぜ、頃合いをみてゆで湯に麺を投入しますが、なんと2秒ほどでゆで上がり。実にユニークな製造工程で期待度大。
肉味噌の上に佃煮的な海老が盛られ、丼景色も実にユニーク。まずは、ザックリ混ぜ込んで、スープをひと口……いやぁ、実に「華」のある味わい。濃厚な芝麻醤、しかし白胡麻が厳選してあるせいか風味に重みがなく旨味が強いところへ、「岩手県産のあみ海老」の香ばしさや旨味がグイグイ絡んできて、完全無化調だというのに目を見張るほど「華」のある味わい。海老辣油もトガりのない滑らかな辛さで海老風味も申し分なく、軽妙な芝麻醤と相性ピッタリ。
麺は、香港由来の「極細龍髭麺」だそうで、なんと博多麺よりも細い超極細の多加水麺で、なるほどゆで時間が短いはずです。しかもガッツリと縮れが入っており、これ以上はないくらいスープも具材もガッツリと持ち上げて……しかも、麺自体の甘みも意外に強く、「華」やかな味わいのスープに負けていません。
具材は、肉味噌、あみ海老に薬味のネギ。面白いのは味変の設計で、ご主人によれば「痺れは最初ついていないので、お好みで卓上の花椒を。途中で黒酢を入れると絶品ですよ」とのこと。まさに解説通りの味変効果で、特に黒酢はシッカリと混ぜれば混ぜるほど、グイグイとコクが深まる魔法のアイテム。
さらにご主人のオススメ通り、(本当は自己ルール違反ですが)ライスを少なめに注文。オジヤというかリゾットというか、ライスをスープにシッカリ混ぜ込んでいただきますと……海老・芝麻醤とライスの甘みの三位一体攻撃は、ちょっと三河島「桃天花」を彷彿とさせたり、させなかったり。あちらが下町の海老担々なら、こちらは銀座の海老担々、アプローチが違うだけで、目指す方向性は同じですな。

席を立とうとすると、ご主人が「お近くの方ですか?」。そうなんだよね……この辺りのことは、永らく働いた職場の近くなので知っていますが、住民の方は本当に「食」のレベルが高く舌も肥えており、だからこそ結局一流のお店しか残らない。そういう文化の中で、ラーメン店が非常に出店しにくい地域でもあって……この地で永く営業しているのは地元に馴染んだ「帯笑」や、異次元的な実力の「やよい軒」くらいじゃなかろうか。でも、この店なら、きっとサバイブできると思います。是非、頑張っていただきたい。
店舗情報は、こちら。
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