2022/02/26
麺とおばんざいとお酒のお店 佳什@新橋 「肉中華そば」

普段、無茶苦茶に忙しくしていると、突然三連休になっても何をやればよいのか困惑しきり……早起きして仕事をし、二度寝して電話に叩き起こされたこの日、とにかく運動が必要と、ウォーキング&食べ歩きに出ました。感染爆発で人影もまばらな新橋へ。

2月オープンのこのお店、新橋の居酒屋「隠れ家ダイニング なべや」の系列店で、「佳什」と書いて「ケイト」と読むとか。卓上には麺メニューとおつまみメニュー、そして壁には「おばんざい」メニュー(写真は下掲)が掲げられ、通し営業のためどれが頼めるのかよく分かりませんが……おつまみメニューに「半ラーメン」がでてくることから、昼はラーメン、夜はおばんざいとお酒なのかしら。

麺メニューは「喜多方ラーメン」の大見出しがあって、「中華そば」と「醤油中華そば」の2系統、「喜多方」なのに塩の「中華そば」が主力というところが珍しい。いや、例えば「坂内」には塩も味噌もあり、塩は相当な美味さでしたな……ちょっとウォーキングでひどく空腹に陥っていましたので、自己ルール(チャーシュー麺禁止)を破って「肉中華そば」(1,050円)で。
おぉ、塩か醤油か微妙な色合いの、魅惑の丼景色。まずは、スープをひと口……おぉ、優しくも深い味わい。基本的には豚骨清湯ですが、野菜を一緒に炊き込んであり、豚骨の硬質なコクを野菜の優しい味わいが包み込む、絶妙のバランス。さらに塩ダレには瀬戸内の藻塩使用ということで、旨味とキレが見事に両立、タレとベースが合わさり醸す味わいは……客を選ばず、あらゆる客層に「美味い」といわせる、そんな優しくも深い味。
麺は、平打ち太縮れ。手もみ風の強い縮れが付いた多加水麺で、喜多方っぽいピロピロとしたススリ心地。特徴的なのはゆで加減で、喜多方にしては少し柔らかめにゆで上げてあり、優しめの歯ごたえと強めの甘みが、野菜で優しく包まれたスープと絶妙の相性。いやぁ、コイツは「喜多方」という次元をこえた、絶妙のコンビネーション……箸が止まりませんな。
具材はチャーシューとタップリのネギで、デフォの「中華そば」に入るメンマは入りません。この豚バラ・チャーシューが絶品で、おそらく煮込むときのタレにも、ラーメンの塩ダレが仕込まれており、それで適度に薄味に仕上げておいて、丼の中でスープをシッカリと吸わせようという作戦。これが見事に的中し、スープとチャーシューが一体となり、さらにバラの肉汁と赤身の旨味も一体となって、得もゆわれぬカタルシス……それを10枚近くも味わえるなんて、まさにこの世の極楽ですな。ネギはかなり多めに入っており、薬味としてはギリギリのレベル、苦手な方は小皿がついてきますので、そこに一部退避させるのもアリでしょう。

褐色に色づいたスープは、「メイラード効果」によると能書きにありますが、特に難しい話ではなく、肉でも小麦でも、食材に熱を加えれば褐色になるというアレです。おそらく野菜を加えて12時間も豚骨を煮込めば、野菜側がコンソメ的に変色してこうなるんでしょうな……おばんざいはご覧のようなメニューで、派手さはありませんが、シブいところを狙っています。日本酒もズラリと目を引きますし、コロナが明けたら夜にでもまた。
店舗情報は、こちら。
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