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錦糸町中華そば さん式@錦糸町 「中華そば」

さん式@錦糸町・20220820・四つ目通り
 夏休み明けの週末、印象的だった木場の新店を再訪しようとしましたが、すでに噂が駆け巡り長蛇の列。地元の家族連れが多い印象で、テレビかCATVにでも紹介されたのかな。リカバリとして考えていたのは錦糸町のお店になり、木場から移動するのは結構な手間……ホント、いつになったら地下鉄4号線ができるのかしら。
さん式@錦糸町・20220820・店舗
さん式@錦糸町・20220820・券売機
 6月オープンのこのお店、本郷三丁目「麺屋 ねむ瑠」の元店長の方が独立したとか、飾り気のない簡素な外観・内観が好印象。メニューは「烏賊背脂煮干中華そば」と「中華そば」の2本立て、「烏賊煮干」といえば「ねむ瑠」の代名詞といえるメニューで、非常に濃厚な味わいとなりますので、あまり本家との違いが出せないような気がしますな……「中華そば」も「ねむ瑠」にありましたが、独立後のご主人の自由度が発揮されるのは、こちらかな。「中華そば」(850円)と「味玉」(130円)をポチッとな。
さん式@錦糸町・20220820・中華そばさん式@錦糸町・20220820・スープ
 「濃厚」とか「キレ」とか「深み」とか、外見からはそんな外連味を一切感じさせない「自然体」の丼姿。まずは、スープをひと口……予想通り、超濃厚&インパクトな「ねむ瑠」の烏賊煮干の世界観とは全くの対極をなす、「ゆるふわでのどか」な味わい。能書き(写真は下掲)によれば、鶏・豚と香味野菜、それに煮干し2種と節系3種による「黄金比を追求」したとか。実際には、鶏・豚・野菜のフンワリとした旨味を中心に、それを煮干し・節系でゆるやかに押し出して、弱めの醤油ダレでぼんやりとした輪郭線を引く、そんなスタイル。私のような中高年には、心底「ホッ」とできる味わいですな。
さん式@錦糸町・20220820・麺
 麺は、菅野製麺製の中細ストレート。先人のレポートを見ていると、「烏賊煮干」(あるいはオープン時)とは麺を替えているかも知れず、加水率低めでパツッとした口あたりと、ポクポクとした歯ごたえが印象的。こういうパツパツ&ポクポクした麺を作らせると、菅野製麺さん右に出るものはありませんなぁ……こういう麺はスープを吸うので、カエシ強めのスープによく合いますが、あえて「ゆるふわ」系のスープに合わせて、麺本来の小麦の甘さをストレートに主張しようというアプローチ。なかなか珍しくて、面白い。
さん式@錦糸町・20220820・具材さん式@錦糸町・20220820・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、メンマ、小松菜に、薬味のネギにスプラウトの先っちょと、追加の味玉。バラロールチャーシューは、正面をカリッと味濃く焼き上げ、中は圧巻のジューシーさで、自家製でないと絶対に到達不可能な超絶クォリティ、コイツは美味い。ネギも白髪ネギとはいえ太めに切り分け、辛味を強調して「ふるふわ」な空間にビシッと薬味を加えるアプローチ。味玉も、流行りの半熟仕上げではありませんが、「おでん」のように本当に深く味がしみていて、コイツもある意味「ホッ」とする要素です。

さん式@錦糸町・20220820・能書き
 千葉に住んでいた頃、東京の引っ越し先探しのごく初期に、この場所にそそり立つ東京建物のマンションを検討し、現地も何回か訪れました。この店が入るテナント街もその当時からありましたが、すでに利用者は家族連れか高齢夫婦といった風情で、それはそれで私には向いていましたが……「烏賊煮干」がここの客層に受けるとは思えませんな。実際この日も、後客の注文はほとんど「中華そば」に集中。この店の将来は、この「ゆるふわ」中華をいかに発展させるかに、かかっているのかも知れません。

 店舗情報は、こちら

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山田の鰻@飯田橋 「松」

山田の鰻・20220827・飯田橋
 なんと鰻の骨100%のスープで、土曜昼だけラーメンを出す店が飯田橋にできたとか。ただし、あそこは行列店御用達の物件(立地&建物)で、私のような行列嫌いはとても近寄れない場所のため、前を通るだけと思って行ってみますと、店外3人待ちのみとイケそうな雰囲気。しかも、5分ほどの待ちで、4人とも入れてもらえました。
山田の鰻・20220827・店舗
山田の鰻・20220827・路上看板
 6月オープンのこのお店、もちろん本業は鰻屋さんで、ラーメンを出すのは土曜11時から売り切れまで、この日は12:45に待ち列に接続した方で売り切れでした。鰻は、鹿児島県志布志で「無投薬」養殖を手がける山田水産が現地から直送したもの。
山田の鰻・20220827・メニュー
 メニューは、「鰻骨ラーメン+薬味・漬卵黄」の「梅」と、これに「刻み鰻蒲焼+ご飯」がプラスされる「竹」、ご飯の代わりに「ミニ鰻丼」がつく「松」の三種類。隣客の「ミニ鰻丼」をチェックすると、コイツがなかなか美味そうで、「蒲焼きのタレがしみたご飯と鰻骨スープでおじやなんぞ……」などと想像を膨らませながら、「松」(1,800円)を注文しました(後払い制)。
山田の鰻・20220827・松山田の鰻・20220827・スープ
 カウンターと厨房の仕切りがないため製造工程がよく見えますが、香味油が緑がかっているのが印象的、聞けば「山椒を使っているので」とのことでした。まずは、スープをひと口……うわぁ、上品なのにある意味「濃厚」ですな。自慢の「無投薬」鰻の骨100%で作ったというこのスープ、全くの新ジャンルで比較対象がないため、少し強引に味わいを表現すると、「鰻の白焼き」の風味・旨味・甘みをピュアに抽出して、グッと濃縮したような味わい。ネット情報では「麺屋武蔵」が開発に絡んでいるそうですが、たしかにこの「濃厚感」には通じるものがありますな。
山田の鰻・20220827・麺
 麺は、極細のストレート。能書きには「3度に渡り圧延をかけた6層の低加水麺」とあり、確かに見かけは博多麺のようですが、カタメのゆで上げなのにポリポリ感はなく、シッカリとしたコシと粘りで咀嚼に重みがあって、「食べ応え」十分。風味・甘みも実に強く、コイツはすごい麺使ってますなぁ……序盤は、上品なスープに対して麺が勝っている感じ。
山田の鰻・20220827・具材
 具材は、細切りの蒲焼と胡麻をまぶした「漬卵黄」、それに白髪ネギにネギ細切りを絡めた上に、ミョウガをプラス。まず蒲焼ですが、これがつかない「梅」はオススメしません。養殖とは思えない引き締まった身は、蒲焼にしても鰻本来の風味が実に豊か。さらに、蒲焼のタレがスープに沁みだし、「濃厚白焼き」系の味に「立体感」をプラス、後半グイグイと麺の味とコラボして、終盤は絶品のバランスに。さらに白眉はこの「漬卵黄」で、食べながら習得したのは「分割加熱法」で、細かく箸で切り分けて、スープの熱で「半熟」程度に溶かしますと、醤油&卵黄の濃厚な味わいが最大限に発揮され、麺に絡めれば際立ったデコレーションに。
山田の鰻・20220827・ミニ鰻丼山田の鰻・20220827・おじや
 ミニ鰻丼の蒲焼も、ビシッと引き締まった身に驚きますが、通常養殖でフワフワした身の「スーパー特売蒲焼」に慣れた身としては、異次元の風味の強さ。この蒲焼のタレをご飯に意図的に移し込んで、そのご飯をレンゲでスープに浸して「おじや」にしますと……いやぁ、眩暈がするほどのカタルシス。これが楽しめるというだけで、1,800円の価値はあります。

山田の鰻・20220827・卓上
 行列嫌いの私が、幸運にも到達できた「味の極致」。特に、「鰻のラーメン」といいつつも、大方の予想を裏切って、白焼きから語り起こして蒲焼につなげ、それを骨太の麺でグイッと一本筋を通すというやり方が……やはり終始、「武蔵」の影を感じた、極上の一杯。「鰻骨スープ」というイノベーション、またラーメンの「地平」が大きく広がりましたな。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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