2022/09/11
とりジンジャー@仲御徒町・御徒町 「とりジンジャー」

世間は8月11日からお盆休みですが、初日は仕事でつぶれ12日(金)から束の間の夏休み。御徒町あたりを歩くのも久々ですが……インバウンドが再開したせいか、宝石系のお店もドンドン営業し始めた印象ですな。今日目指すお店も、宝石デザイナーの方がやっているとか。

8月1日オープンのこのお店、看板もなく分かりにくい佇まいですが、店頭にドカンと据えられた冷凍ラーメン自動販売機が目印。店内には英語の口上、曰く2017年には世界ラーメン・グランプリ的なアワードに挑戦して見事敗退、以降NYの一風堂で修業して、2020年にLA、2021年にLondonで間借り営業を経た後、帰国してお店をオープンしましたが、宝石デザイナーの仕事も兼業しているとか。なんか、ネット情報とずいぶん違う気がしますが(笑、でも多分ネット情報の方が正しいかも)、宝石業と兼業は事実のようで、週4日と変則営業(火・土・日・祝休み)。

メニューは「とりジンジャー」と「グルテンフリー麺とりジンジャー」の2系統、まずは筆頭の「とりジンジャー」(880円)を、ポチッとな。テーブル席のみで、卓上には「追いジンジャー」なる「ウルトラ蒸しショウガ」の解説漫画があります(写真は下掲)。開店当初は自動的に出てきたようですが、今は店員さんに声掛けして出してもらう感じ。ま、とりあえずはそのまま「デフォルト」を味わいましょう。
黄金色のスープに浸された、極細麺のギッシリ感。まずは、スープをひと口……これは「NANNISH」インスパイヤというか、中華では「鶏絲湯麺」のインスパイヤというか、つまり「王道」、誰もが「美味い」と感じる方向ど真ん中ですな。丸鶏スープの、ボディ感を敢えてそぎ落として旨味のみにシェープアップ、それに程よい塩ダレで微妙に輪郭線を引きつつ、ガツンと生姜で思い切り「隆起」させるという、誰もが目を見張る「定番」の美味さ。シンプルながら、この方法論がどれほど人気を集めているかは、最近の「NANNISH」の発展ぶりから理解いただけるでしょう。
麺は三河屋製麺製で、極細に近い細麺ストレート。この辺は「NANNISH」よりも、中華の「鶏絲湯麺」に寄せた考え方。加水率は低めで、ただでさえ麺の甘みが強いのに、それが生姜でソリッドに絞り込まれ、さらに鶏の旨味で浮き彫りとなって……いやぁ、コイツは美味い。塩味でなく生姜と旨味で押し出すタイプですので、「鶏絲湯麺」によくある縮れ麺にしてもう少しスープを持ち上げさせても、面白いかも。
具材は、鶏ムネ肉の薄切りと、メンマ、おろし生姜とフライドオニオンに、チョコンとカイワレとクコの実が乗り、さらに今どき珍しい店名入りの海苔。鶏ムネ肉は写真では分かりにくいかもしれませんが低温調理的な質感と味わいで、当然のように鶏スープにはピッタリと合います。メンマは上質な穂先を使ってあり、風味だけでなく味付けも万全。そして、この一杯の業界への貢献は、このフライドオニオンで、生姜でキレキレの世界観になりそうなところへ、グッと重みとコクを深める見事な役回りで、これは模倣されてしかるべき見事なアイディア。

店員さんに声をかけて、「追いジンジャー」を試してみようかとも思いましたが、最初から投入されている生姜の「加減」が「完璧」であることを、中盤までに確信したのでこれで満足。しかし、こうして「NANNISH」に追いつき、さらにその地平を広げる店が、しかも宝石デザイナーと兼業する方のお店から出てこようとは……つくづく、ラーメン業界というのは面白いところですな。
店舗情報は、こちら。
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