2023/04/16
つけ麺専門店 三田製麺所@神田 「濃厚海老つけ麺」

昼前に突然天候が不安定となり、降ったり止んだりの土曜日、やむなくウォーキングは有楽町・八重洲間の地下道で。腹ごしらえも、駅至近の店が望ましい……ふと、三田製麺の季節限定が思い浮かびました。

海外含め40店舗以上を展開する、濃厚豚骨魚介つけ麺の専門店。神田店は神田駅西口から25mほどと、抜群のアクセスを誇ります。三田製麺所は店舗によって若干提供メニューが違いますので、まずはグランドメニューから確認すると……お、「鯛だし塩つけ麺」(880円)なんてのもあるんですな。「限定」の文字がないので、レギュラー化しているのかしら。

そして、今回のお目当てはこの「濃厚海老つけ麺」(990円)。春に提供するのが恒例になっているそうですが、不覚にも知りませんでした……今年は3月7日から5月上旬まで、国内全店で提供しています。それにしても、土曜の昼下がりだというのに後客ひっきりなしで、かなり大きなカウンター席はほぼ満席。対して店員が厨房1名・フロア1名は明らかに人手不足で、どこもコロナ後の人手確保に苦労しておられる模様。
例年より増量しているという「海老パウダー」が、見事な桜色に光り輝く、いかにも春らしい丼景色。まずは、つけ汁をひと口……「濃さ」ではなく「美味さ」を追求した仕上がりで、いかにも三田製麺所。ベースはもちろん、同店自慢の濃厚魚介豚骨で、魚介は煮込むだけでなく、仕上げに節粉・煮干粉を直接加える、「豚骨魚介」ジャンルど真ん中の王道的仕上がり。これに海老頭などを使ったと思われる「海老油」により、旨味と香ばしさがドカンとアップ。さらに「海老パウダー」が香ばしさをさらに加速させ、結構派手に「海老」感を押し出しています。いやぁ、さすが三田製麺所、完成度が高い。
麺の盛りが、小・並・中・大・特から選べ、特は100円増しで、小は30円引き。いつも、何も考えず並をたのんでいましたが、よく見れば「330g」か……そんなにあったっけ。そこではじめて小盛(240g)を頼んでみると、グラム表記はゆで後のようで、ゆで前なら200gほどですが、私には十分。さらに熱盛か冷盛を選べますが、つけ汁がかなり派手&濃厚な味と見ましたので、対抗する麺の甘みを最大化する熱盛で注文、そしてこれが見事に的中。コシは弱めになりますが、ホクホクとした麺の甘みが、濃厚豚骨魚介&海老という怒涛の押し出しを、シッカリと受け止めてくれます。いやぁ、コイツはベスト・バランス。
具材は、つけ汁に沈むサイコロ・チャーシューとメンマ、海苔と海老パウダーに、薬味のネギ。サイコロ・チャーシューは、タレによる味付けを敢えて抑えて、肉本来の風味・旨味で勝負するタイプ。つけ汁が足し算的な派手な味わいだけに、この引き算的なアプローチがバッチリ合いますなぁ……メンマも薄味なのは、すべてが計算づくということですな。目立ちませんが、海苔もなかなか高品質。
割りスープは、カウンター上のポットで提供、中身は煮干し出汁と思えました。コイツを少し多めに注ぎ込みますと……ハリウッド的な、総天然色(死語)で彩られたド派手な世界がスッと消えて、小津安二郎のモノクロ映画に収斂していくような、味わい深さと奥深さ。他のつけ麺と共通の割スープなんでしょうが、なんか「海老つけ麺専用設計」に思えるほど、実によく合いますなぁ……少し多めに加えることを、おススメします。

「海老つけ麺」……「言うは易く行うは難し」存在で、さほど成功例は多くありません。都心で最初に話題となったのは、三河島「桃天花」じゃないかしら。その後、海老つけ麺の代名詞的な存在になったのは新宿南口「五ノ神製作所」、ここには結構通いましたが……「濃厚豚骨魚介」と海老の共存に、トマトを使ってブレイク・スルーを生み出しました。しかし、ここはベーススープがあまりにヘビーなため、自らハードルを上げ自ら苦しんだ面があり……「三田製麺所」くらいの「濃厚」さだからこそ、この程度のチューニングでスルリと最適解に到達できたような印象。「海老つけ麺」、今後春には必ず食べるようにしたいと思います。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking