2023/05/28
麺や 響@渋谷 「Creamy 魚介つけ麺」

世はGW真っただ中、しかし半フリーランスの私は今日も仕事。GWのせいで、普段夕食をとっているレストランがどこも混雑、やむを得ず渋谷の新店をのぞいてみることにしました。

3月オープンのこのお店、なんでもあの池袋の名店「馳走麺 狸穴」の姉妹店だとか。メニューはつけ麺が「Creamy 魚介」と「Shio」、さらにそれぞれの「辛」バージョン、あとは「中華そば」と「蟹みそ中華そば」。「狸穴」といえば魚粉系の濃厚魚介が特徴的でしたし、ここは迷うことなく筆頭「Creamy 魚介つけ麺 並盛」(930円)を、ポチッとな。

お店はかつて家系店「侍」があった場所。渋谷駅から明治通りを南に歩き、渋谷三丁目の交差点を越えるとグッと人通りが少なくなりますが、あの実力店「侍」もそうしたロケーションに苦戦。事実、井の頭線・渋谷駅近くに移転した途端、一気に行列店になりましたな。この日も、渋谷三丁目の交差点にある油そば店には大行列ができていたのに、名店「狸穴」の姉妹店なのに先客1名、行列覚悟できた私は拍子抜け。
おぉ、濃厚魚介スープにうねうね混じる、生クリームがド迫力。よく混ぜ込んで、つけ汁をひと口……いやぁ、これはハンパない完成度。ガツンと前面に出てくるのは、煮干粉や節粉主体の濃厚魚介。動物系は下支え的な役回りですが、鶏主体で柔らかな旨味を加えてきます。さらに生クリームが魚粉系特有の味の尖りを上手く丸め、カエシもつけ汁としてベストなバランス。これほど凝った、一種繊細な構成なのに、酸味さえ加える余裕は、さすが「狸穴」系と唸るしかありません。
麺は三河屋製麺製の、太麺ストレート。麺箱を見ると、中華そばとは麺が違うようで、ゆで時間もかなり要しますが、その分仕上がりは驚くべきハイレベル。プリッとした口あたりと、モチモチとした食感、北海道小麦100%のスッキリとした甘みながら、全粒粉をかなり多めに使って、力強い甘みと小麦の風味をグッと強調。コイツをつけ汁に浸して、ズバァ~~ッとイキますと……麺の甘みが、つけ汁の旨味・甘味・酸味と見事に融合して、その美味さは圧倒的。正直言って、すくなくとも直近1年で体験した中では、最高の麺だと思いましたが……カウンター上に、お店と三河屋製麺さん共作の麺能書き(写真は上掲)がありましたが、さもありなんと納得させる最高傑作。
具材は、チャーシュー2種とメンマ、水菜に海苔と、薬味代わりのスプラウトが少々。「狸穴」といえば豪快なバラ肉チャーシューという印象がありましたが、最近は池袋でも低温調理チャーシュー主体に組み立てているようで、それを踏襲したようなスタイル。つけ汁に鶏を感じましたので、具材の中でもムネ肉チャーシューはよく合うと感じられたり。メンマも高い完成度ですが、つけ汁にはさほど荒々しさはありませんので、水菜やスプラウトをつける必要があるのかなというのが、正直な感想。
スープ割りをお願いすると、つけ汁残量に合わせてスープが加えられ、柚子を添えて返ってきます。割スープは魚介出汁ではなく、私の印象では鶏ガラスープで、魚介の主張が適度に弱まり、つけ汁のベーススープとシナジーして、ホッとするような見事な味わい。最後まで、さすが「狸穴」直系と唸らせる、高度なワザのオンパレード。

飲食を求める渋谷駅近辺の人流は、明治通りから南に向かう方向では渋谷三丁目交差点まで。なぜかといえばその南は、並木橋交差点などさらに南から渋谷駅に向かう人流がほとんどで、まっすぐ帰宅することしか頭にない雰囲気。これが、名店「侍」が長年苦戦し、あの超人気店「麺魚」ですら、あまりの客入りに最終的に撤退を迫られたという……なんともハードな「鬼門」の地。しかし、比較的最近まで数年渋谷で働いた私の感覚では、これほどの完成度でつけ麺を食べさせるお店は、渋谷には珍しいんじゃないかな……ルビコン川ではありませんが、明治通りで渋谷三丁目交差点を南に超えて食べ歩いてみることを、是非みなさんにはお勧めします。
店舗情報は、こちら。
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