2023/05/07
〇新 ネギラーメン@新橋 「ラーメン」

東京近郊で「ネギラーメン」といえば「ラーメンショップ」。もともと千葉の西南部で食べ歩いていたこの私、当時は近隣の街道沿いにラーショも多く、自宅から徒歩圏に千葉ではネギラーメンの代名詞のようなお店もあったり……都心に引っ越してきて、ラーショから隔絶された食べ歩きをすること10年以上、このお店の開店情報には、「心ときめく」以上の喜びがありました。お店は、新橋二丁目交差点の角地にあります。

4月オープンのこのお店、都心でラーショ・インスパイヤで遊ぶなぞ、どこか資本系のお店に違いなく、店内・店頭に柏「王道家」の麺箱が積まれているということは、そういうことなのでしょうな。店名ロゴの両横を「うまい」で挟むあたり、ギリギリ大丈夫なのかとか、ちょっと心配になってしまうよな遊び感覚。

メニューは、「ラーメン」「コテラーメン」「つけ麺」の3系統。筆頭が「ネギラーメン」(880円)なのは当然として、「ラーメン」が680円というのは、このご時世&新橋至近ではインパクト大。実は、かつてラーショを食べ慣れ、「ネギ」の最高峰が身近だった私としては、「ネギラーメン」よりも「ラーメン」に興味津々、コイツと「味玉」(100円)を、ポチッとな。「チャ飯」が80円というのも惹かれますな……オジさんは、自己ルールでNGですけど。
ラーショ特有の薄青の丼でないのが残念ですが、テラテラと脂で光るワカメが、ラーショ感を醸す丼姿。表面を覆う背脂層がそこそこ厚いので、よく混ぜ合わせてスープをひと口……都心に合わせ、「ソフィスティケート」されたラーショですな。基本はもちろん豚骨醤油、ただ「ネギ」に絡ませたタレが加わるのが前提なのか、基本では醤油ダレは少し弱めで、背脂は私が経験してきたラーショの中では多めの部類。ラーショ特有の化調による演出も控えめで、実に「穏やか」な味わいですな……それだけ、味変の余地が大きいということ。
麺は「王道家」特製のようで、微妙な縮れが入った、やや太めの中太麺。小麦粉の配合が似通うのか、味は家系麺的なニュアンスが強く、よくあるラーショの中加水麺とはかなり違う。こんな本格的な麺が、ラーショ的に敢えて薄っぺらく演出されたスープに絡むあたりがこの一品のハイライトで、コイツはなかなか面白い。麺がシッカリしていますので、後半の味変でも大いに遊べます。
具材は、チャーシュー、ワカメ、ネギに海苔、そして追加の味玉。チャーシューはご覧のような大判で、モモ肉と思えるようなハードな食感。噛めば噛むほど味が出るような演出で、千葉西南部ではこういうタイプは珍しかったと思いますが……柏・松戸など千葉西北部ではこれがデフォなのかしら。これに対して、ラーショでワカメは、関東圏ではお約束ですな……あぁ、もっと入れてほしい。100円でもいいので、トッピングのメニューに追加検討を。

都心に引っ越してきて10年以上、ついに実現した「都心にラーショを」という夢。ただ、「ラーショ」=「ネギ」というのは、「ラーショ」が生活の一部だった人間の間隔とは、ちょっと違うんだよなぁ……ネギに絡むタレの強さを、デフォのスープからあらかじめ引き算してあるため、「ネギラーメン」でないメニューを注文すると、やけに「穏やか」に感じられるというシンドローム。この辺も昔のラーショでは、実は解決済みの問題だったり……「都心のラーショ」という、実に貴重な実験。王道家さんには、さらなる改良を期待します。
店舗情報は、こちら。
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