2023/05/21
ハちゃんラーメン@浜松町・大門 「味玉醤油」

あの「麺処ほん田」を、東十条本店の頃から秋葉原移転にかけて、9年にわたり支え続けたベトナム出身のハ料理長が、2月末に独立、4月に新店を立ち上げたとか。いつものようにオープンから少し間を空けて訪店してみましたが……臨休直撃。1週間後にリベンジしました。お店は浜松町駅北口から、汐留イタリア街方向に2, 3分少し歩いたあたり。

4月2日オープンのこのお店、「ハちゃん」の「ハ」は、和数字の「八(はち)」ではなく、ハ料理長のカタカナ「ハ」になります。メニューはラーメンが「醤油」と「塩」、昆布水つけ麺にも「醤油」と「塩」があり、あとは「まぜそば」やご飯類。まずは、筆頭メニューの「醤油」に味玉つけて(1,100円)。店内は、私が着席して満員になり、その後店頭に10人程度の行列ができていました。
行列嫌いの私も、先日ようやく「ほん田」直系の一杯に触れることができましたが、なるほどスープのたたずまいが似てますな。まずは、ひと口……なるほど、味もまさに「ほん田」直系。ベースは鶏の旨味タップリの清湯で、鶏油のせいか風味も全く鶏系ですが、コクにソリッド感が少しあるので、豚も併用しているかも。分厚い旨味には魚介の柔らかなサポートが感じられますが、イリコの段ボールが見えることから、そういうことかも。ただ、このスープの主役は何といっても醤油カエシで、ドスンとヘビー級のコクに、旨味で加速されたキレもプラス。この「醤油アグレッシブ」感は、先日体験した「ほん田」直系を彷彿とさせます。
麺は、心の味製麺製の中太ストレート。モッチリとした食感と、滑らかなノド越し。全粒粉使用で甘みも強く、かなりパワフルな麺ですが……ストレート麺ですが角型の断面ゆえ、結構スープ持ち上げがよく、あの醤油カエシの打撃力に対して、この麺でもやや押されかも……厨房には麺箱がいくつかあり、そういえば券売機には「手打ち変更ラーメンのみ」(100円)があったことを退店時になって気づきましたが、こいつは試してみるべきだったかも。

具材は、チャーシュー2種と追加の味玉、薬味のネギと結構シンプル。チャーシューは、低温調理の肩ロースと、煮豚タイプのバラ肉が一枚ずつ。鶏に隠れて豚も感じるスープですので、2タイプのチャーシューはどちらも抜群の相性で、肩ロースの肉の旨味がベースとシナジーする上に、煮豚ゆえスープをよく吸うバラ肉の中で、肉汁と醤油ダレが渾然となるあたりがクライマックス。味玉もカタゆでですが、その方がスープの醤油インパクトをよく受け止め、ネギも風味の強いモノが多く入りやや「ウルサめ」ですが、動物(鶏)系の主張が意外に強いスープに対して、よい「リズム感」を加えます。鶏的な印象の強い一杯ですので、味変には卓上のホワイトペッパーがオススメですな。

広島→京都→上京の私には、「醤油アグレッシブ」感が印象的な一杯ですが、関東圏の人にはこれで「どストライク」なのかも。確かに上京した直後に遭遇した、蕎麦の真っ黒なつゆには、心底驚きましたが……この一杯も、先日体験した「ほん田」直系の一杯も、関東ど真ん中だからこそ成立している味空間だとも思えたり。ベトナムご出身のハさんも、この味空間はさぞかし衝撃的だったと思いますが、敢えてそれを武器に独立するという、果敢な挑戦。今は関東圏の食べ手だからこそ、応援してあげて欲しい一杯でした。
店舗情報は、こちら。
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