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横浜家系ラーメン 麺家 福増@神保町 「ラーメン」

福増@神保町・20230730・神保町交差点
 70%越えの湿度と30度越えの気温、それでも水道橋~飯田橋くらいの短距離ならウォーキングできるかと、現地に向かいましたが……何か武道館あたりでやっているらしく、右翼の街宣車が群がって、騒然とした雰囲気。歩きは中止して、神保町の新店に向かうことに。
福増@神保町・20230730・店舗
 7月オープンのこのお店、場所は神保町駅A4出口から徒歩数十秒という超好立地ながら、ラーメン店が随分と入れ替わった「鬼門」の地。最後に入っていた「札幌飛燕」とか、結構美味しい店だったのに……お店は、ご覧のように口上その他掲示物がほとんどない、新店としては珍しい外装。店内は居抜きではなく、家系店っぽくコの字カウンターを入れてあり、その質感からみて、運営はさほど大手ではない資本系のような気が。
福増@神保町・20230730・券売機
 家系店ですので、メニューは基本「ラーメン」のみですが、「うま辛ラーメン」もあるところがチャームポイント。いつものように、「ラーメン 並」(800円)に「ほうれん草増し」を……うわ、200円か。これまでも150円という店が散見されましたが、いよいよここまで。ちなみに、お店のインスタ(menya.fukumasu)にある「玉子orチャーシュー1枚永久無料」券を見せるとお得ですが、今日は歩けないので遠慮しました。好みは全部フツー、ライス(小・中・大)も無料ですが、いつものようになしで。
福増@神保町・20230730・ラーメン福増@神保町・20230730・スープ
 「武蔵家」系なのか、チョコレートのような深い褐色のスープ。まずは、コイツをひと口……味濃いカエシで、グイグイ引っ張っていくスタイルですな。豚骨も決して弱いわけではなく、ガッツリ炊き出しゼラチン質がドップリ溶け出て、ポッテリとした口あたり。ただ、乳化をかなり進めてあって、ワイルド感よりもマイルド感重視のセッティング、それゆえ濃いめのカエシがパワー全開となって、いや実に味濃い。でもまぁ、塩っぱさこそ家系の証し、盛夏だからこそ塩・醤油濃さが、五臓六腑に沁み渡ろうというもの。
福増@神保町・20230730・麺
 麺は、店内掲示から三河屋製麺製のようで、標準的な家系麺よりやや細い中太ストレート。かなり甘みの強い、シッカリとした味わい、「普通」指定で微妙にカタめのゆで加減で、コシも歯ごたえもノド越しも、家系麺に対する私の好みドンピシャリ。多少ザラついた麺肌がシッカリとスープを持ち上げますが、味も豚骨も濃厚なスープに対して、一歩も引かぬ甘味・風味と食感、見事な完成度で、いやぁ……コイツは美味い。
福増@神保町・20230730・チャーシュー福増@神保町・20230730・ほうれん草
 具材は、チャーシュー、ほうれん草、海苔のみと、家系ストロングスタイル。特筆はほうれん草で、絞り加減が微妙にゆるいため、麺に絡めてスープをドップリ持ち上げれば、味濃さを和らげ爽やかな風味をプラスして、コイツは期待以上の美味さ。写真ではうまく伝わりませんが、量もタップリで文句なし。チャーシューは家系では標準的な煮豚タイプ、海苔は相当な品質で、風味も旨味も目を見張るほど。麺にホウレン草・海苔・スープを絡めれば……いや、コイツはちょっとしたカタルシス。

福増@神保町・20230730・卓上
 先日、水道橋の家系某店で、その振り切った味濃さ・豚骨濃さに驚きましたが……その豚骨濃さを乳化で和らげ、濃厚「武蔵家」系をやや万人向けにチューンしたような、完成度の高い一杯。こんな好立地のラーメン店が次々に入れ替わったのも、「何のラーメン」を出しているのか、このあたりの通行人に多い中高年にハッキリ伝わらなかった面もあるのかな……「札幌」なのに「塩」とか。その意味では、「家系」というのは分かりやすいシグナリング、今度こそ長寿店になっていただきたい。

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日本橋 らぁ麺 めだか堂@新日本橋・神田 「熟麹もろみ醤油のつけそば」

めだか堂@新日本橋・20230723・南口
 土曜昼時は、熱中症予報で「危険」となってしまい、実際猛烈な暑さと湿度。加えて少し降っては日が照って、繰り返し蒸し返すという……ウォーキングは諦めて、新日本橋の新店「めだか堂」へ(写真は神田駅南口、お店は新日本橋駅からとほぼ同距離)。
めだか堂@新日本橋・20230723・店舗
めだか堂@新日本橋・20230723・能書き
 6月オープンのこのお店、あの「支那そばや」プロデュース店で、PB食品開発の会社とのコラボで立ち上げたとか。「めだか」とは、こだわり抜いた麺と出汁とカエシの、それぞれ頭一字をとって名付けたそうです。特に、カエシに「もろみ」という、まだ発酵熟成中で醤油となる手前の素材を使っているところが特徴だとか。
めだか堂@新日本橋・20230723・メニュー
 メニューは「熟麹もろみ醤油」の「醤油らぁ麺」と「醤油つけそば」。初訪なので筆頭メニューの「醤油らぁ麺」からいくべきところですが、なにせ地獄のような蒸し暑さから逃れた直後ですので、申し訳ありませんが「醤油つけそば」(1,200円)でいかせていただきます。なお、オープニング・サービスなのか、卓上のQRコードから同店のインスタをフォローすれば、味玉サービスとのこと。メニューを見ると、「名古屋コーチンの半熟味付け玉子」は300円もするじゃないですか……普段はチラシ・サービスなどは使わない私ですが、思わずフォローしてしまいました。
めだか堂@新日本橋・20230723・つけめんめだか堂@新日本橋・20230723・つけ汁
 華やかさと深さを併せ持つ、ダークブラウンのつけ汁が、印象的な丼景色。まずは、つけ汁をひと口……いやぁ、少なくとも私は経験したことのない、「和」にして「革命的」な味わい。主役はやはりカエシで、大豆を発酵中ゆえに醸されるこの「もろみ」。醤油のような味噌のような、まろやかにして深く濃い味わいを中心に、麹で豊かな「まろみ」が加えられ、さらに酒粕や魚介で甘みと旨味が加えられるという……実にまろやかで、実に深みのある味わい。このカエシに対してベースの方は、軍鶏や地鶏を念入りに組み合わせたもので、驚くべきことにあの重厚なカエシに対して、全く負けていません。いやぁ、コイツは凄い。
めだか堂@新日本橋・20230723・麺
 あの「支那そばや」のことですから、麺については盤石の仕上がり。北海道産小麦を使い、多加水麺なのに豊かに小麦の風味・甘味が伝わってくるところが、「ラーメンの鬼・佐野」マジックですな。口腔でうねるようなしなやかさと、喉奥へ向け跳ねるようなビビッド感、「支那そばや」ならではの完成度ですな。少量の昆布水に浸しての提供ですので、その味わいも最大限に高められています。コイツをつけ汁にくぐらせ、ズバァ~~ッとイキますと……このカタルシス、いやもう、言葉になりません。目を中空に泳がせながら、この極上の世界にひたる幸せ。食べ歩きをしていてよかったなと、しみじみ感じる瞬間ですな。
めだか堂@新日本橋・20230723・具材めだか堂@新日本橋・20230723・チャーシュー
めだか堂@新日本橋・20230723・味玉
 具材は、チャーシュー、メンマ、海苔にネギ、そして追加の味玉と味変用の果汁。個人的に、特に強調したいのはこのネギ。実に深く円熟した味わいの「もろみ」や麹・酒粕、これに完成度MAXの麺や地鶏スープなど、すべてがまとまり「閉じた」味空間を作りがちなこの料理だからこそ、細切りにして辛味・風味を強調したこの青ネギが、目を見張るような「薬味」効果を発揮します。
 さらに強調したいのは、味変用に添えられた果汁で、中身は「四万十ぶしゅかん」という、ライムのような柑橘類。高知では「酢みかんの王様」と呼ばれているようですが、実に鮮やかにして爽やかな酸味、つけ汁にはもともとわずかな酸味が加えられていますが、この果汁を少しずつ加えることで、重厚で「閉じた」味空間に爽やかなキレが増していき、味空間が舌に対してだんだんと解放されていく過程を体感できます……味玉のレベルの高さも、画像をご覧になればすぐご理解いただけるかと。
めだか堂@新日本橋・20230723・スープ割り
 割りスープは、メニュー記載では(写真は上掲)「羅臼昆布とめだか堂鶏出汁の追いだし」。コイツをまた、少しずつ加えながら味わえば……濃厚にして重厚な序盤のストーリーが、様々な刺激が加わって大きく激しく展開し、それがベーススープの鶏と昆布の旨味に、収斂しつつフェードアウトしていくような味の展開。特に、麺を浸した昆布水が、最後に「伏線」として回収されていくあたりが、ドラマ性を感じさせますな……

めだか堂@新日本橋・20230723・口上
 一説には4%を越えつつあるというインフレ時代、ラーメンもデフォで1,000円越えが当たり前のようになっており、牛丼やカレーなどマスプロ製品とは違う存在であることが明白になってきましたが……文句なしに、時代の最先端と最高峰を同時に実現させた、「至高」の一杯。映画にもリピーターの方がおられますが……私が次回行列なしに、このクォリティでこの一杯を食べられるなら、この「醤油つけそば」に3,000円払っても不満はありません。ラーメンとはそういう「至高」を追求すべき存在だと、厳しく広く教えて下さった佐野実氏に、拍手。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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