2023/09/03
つけ麺専門店 三田製麺所 神田店@神田 「冷やしつけ麺」

台風の影響で夏休みの計画が大きく崩れ、やることもないままお盆休みに突入。神田に「冷やし」を出している店が複数あってお盆でもアクセス可能であることを確認し現地に向かいましたが……JR駅も電車の中も、大量のコミケ客。なんとか台風を免れてよかったね。

第一候補だったお店は店外待ち3名でしたが、猛烈な直射日光。折り畳みの日傘は持っていましたが、アスファルトからの照り返しもすさまじく、早々に断念。第二候補の「三田製麺所」の「冷やしつけ麺」を狙うことに。ちょっと具材がさみしそうなので、「三田盛り」(300円)か「味付玉子とチャーシューセット」(200円)をつけようかと思いましたが……この暑さでは地下ウォーキングも距離を稼げそうもなく、カロリー重視で単品(880円)・並盛(320g)で。
つけ汁に入る具材はニギヤカそうですが、麺皿が少し寂しく、小盛にするか、なにかトッピングすればよかったかと思える丼景色。とりあえずは、つけ汁をひと口……おぉ、これが「三田製麺所」かと目(舌?)を疑う、「抑え」のきいた割烹的な味わい。公式HPでは「冷やし鯛だし塩つけ麺」としているように、つけ汁の主体は端麗な鯛出汁。最近はこの業界でも鯛を使う店は数知れず、どちらかといえばエグみすら全開させた「濃厚」志向のスープが多い中、この出汁は徹底的な端麗志向。他の魚介系による旨味サポートや、つけ汁ゆえに必須になる塩味も敢えて抑え気味にして、鯛の上品で芳醇な風味のみにスポットライトをあてた演出。しかもキンキンに冷やしてこの豊かな味わいは、実に見事。
麺は他メニューと同一で、かなり太めの中太ストレート。いつものようにガッシリとしたゆであがりで、ハードな歯ごたえとボリューム感のあるのど越し。甘みも豊かで、さすが「三田製麺所」、文句なしの野太い仕上がりですが……ただ、さすがにこの「割烹」的な線の細いつけ汁に対しては、ミスマッチ。もちろん原価の問題もあるでしょうが、専用の細麺縮れあたりが用意できれば、ベストでしたな。
具材は、ほぐした鶏ムネ肉とメンマに岩海苔、薬味は水菜と刻んだ柚子、そしてタップリのネギ。端麗なつけ汁に対して野太い麺、その結果生まれる「飽き」を当然見越して、多彩な具材をタップリ入れて目先を変えながらカバーしようという設計思想で、かなりいい線言ってますが……やはり、「三田製麺所」の命である「麺」の威力がすごすぎて、小手先ではどうにもならない印象。麺を変えて小盛にすれば、何とかなるかといったバランス。

何か解決策はないのかと味変に挑戦。注目したのは卓上の「鰹塩」で、コイツをひと振り入れますと……おぉ、グッとつけ汁の切れが増して、麺とのミスマッチによる後半の「ダレ」にはテキメンですが、やはり端麗な鯛出汁の風味は損なわれますな……少しずつ入れながら自分なりの「特異点」を探すのが吉かと。卓上にポットで用意された割スープは、おそらく薄めの煮干し出汁。冷たいつけ汁に温かい割スープを入れるのは、提供側の本意ではないかもしれませんが、結果としては温度の変化によって鯛出汁の旨味が強まり、それを煮干の旨味で支える構成となって、悪くないバランスです。

春にいただいた「濃厚海老つけ麺」に続き、限定でもいかんなく発揮される「三田製麺所」の実力を、思い知らされる一品。麺が違えば完璧でしたが、そこは原価や製造・物流の問題もあり、簡単に解決する問題でもありませんな。それにしても……卓上のメニューを見ていると、この「冷やし」と並行して、夏季限定で激辛の「灼熱つけ麺・灼熱カレーつけ麺」も提供しているとか。特にカレーは「限界突破の辛味と旨味をお楽しみいただける『進撃スパイス』を使用」とかで……この酷暑でも、「進撃」可能なお若い方は、是非。
店舗情報は、こちら。
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