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銀座らぁ麺 しら石@新橋 「炭火焼鯵煮干そば」

しら石@新橋・20231016・八丁目
 連日の猛暑日・真夏日が、9月下旬にもなってようやく途切れ、久々に完全地上仕様の週末ウォーク。銀座8丁目の新店「しら石」で腹ごしらえして、敢えて銀座ど真ん中を大手町方向に向かうことに。
しら石@新橋・20231016・店舗
しら石@新橋・20231016・券売機
 8月オープンのこのお店、銀座で飲んだ酔客が新橋に向かう、その回廊ど真ん中への出店ですので、当然資本の力によるものですが、あの「はやし田」系の資本も入っているとか。メニューは「醤油らぁ麺」「炭火焼鰺煮干しそば」「昆布水つけ麺」の3系統。「醤油」はいわゆる鶏水系との事前情報、であれば「はやし田」のイメージと大きくかぶりますな。ここは2番手「炭火焼鰺煮干しそば」(980円)を、ポチッとな。
しら石@新橋・20231016・能書き
 少し驚いたのは提供時間で、私の場合で食券を渡してから配膳まで20分以上。いくつか原因があり、一つはロット処理で、ラーメン系は厨房一名で1ロット2杯、「昆布水つけ麺」は1ロット1杯でしかも二人(全員)がかり、私の注文分はこれら全てを待っての調理開始でしたが、さらに先客がいれば当然それ以上だったかも。原因の二つ目はユニークな麺の処理。タイマーをセットしてゆで始めますが、タイマーが鳴る前に引き上げて、スープの中やタライの冷水の中でじっくり麺線を調整しますが、その工程が異様に長い。整えてはバラし、また整えるを繰り返す。その途中でタイマーが鳴り始めるという、独特の方法論で、私は初めて見る工程ですな。
しら石@新橋・20231016・醤油しら石@新橋・20231016・スープ
 なるほど、スープと麺線の対比の仕方や、潔い具材の見せ方など、そこはかとなく「はやし田」系の雰囲気が漂う丼景色。まずは、スープをひと口……焼鯵煮干しを使って、この仕上がりはおそるべき技術。能書きによれば、旬の煮干しと昆布や椎茸で出汁をとり、最後に焼鰺煮干しを入れて仕上げたとのことですが……鰺自体が非常に味の強い魚だということはご存じだと思いますが、鰺を煮干しにすると風味や旨味が濃縮され、さらに焼きを入れるとクセまで強調されるため、「焼鰺煮干し」というのは非常に扱いづらい食材です。その強力で独特の風味と旨味を中心に据えながら、それを昆布や椎茸で上手く旨味の「裾野」を形成しながら、鶏の風味もする香味油とカエシのコクで、全体をまとめ上げるという……非常に高度な技術の結晶。
しら石@新橋・20231016・麺
 麺は菅野製麺製で、やや太めの中太ストレート。能書きに「番手18」とあり、これは標準的(街中華的)な麺よりはやや太く、喜多方・佐野よりは微妙に細くて白河並みということですが……こんな数字を能書きに書くのもどうかと。いずれにしても、関東から北部の動物系スープに合う麺の太さで、セオリ的には魚介系スープならもう少し細めとなるわけですが……そうか、それでゆで時間前に麺上げし、丼のスープの中で時間をかけてかき混ぜて、馴染ませていたわけですな。確かに、麺にスープがよく馴染んでおり、一方では歯ごたえやコシ、ノド越しもシッカリしていて、コイツはなかなかの食べ心地。
しら石@新橋・20231016・具材しら石@新橋・20231016・チャーシュー
しら石@新橋・20231016・メンマ
 具材は、チャーシューにメンマ、ナルト、そして薬味に三つ葉と少量の刻み玉ネギ。チャーシューは低温調理の「レア豚ロース」、あえて脂肪分の少ない部位を使い、低温調理ならではの肉本来の旨味・風味と、肉に浸みた味わいを、派手さを排した淡泊な仕上がりにまとめており、コイツは秀逸。シッカリ醤油系で味付けた材木メンマや、竹炭を使ったナルトなど、資本系ならではのネオ・レトロ系な表現も面白く感じますが……薬味に何をさせるか、あまり考えられていないような気がする点は、ちょっと残念。これほどの完成度なら、きっと面白い役回りができると思いますが。

しら石@新橋・20231016・路上看板
 かつて職場が近くにあり、このあたりはホームグラウンドでしたが……銀座から新橋に至る酔客ゾンビの「回廊」沿いは、飲みのシメ提供店にとってはあまりにも効率が良すぎて、それゆえ新たな名店が生まれにくい場所でしたが……コロナを経て、ようやく「交代」が始まったのかも。提供時間の問題はありますが、この一杯もクォリティは超一流、しかもこのご時世、銀座でまだ1,000円以下で食べられますので、機会がありましたら是非。

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麺処 神田@神田 「味噌」

神田@神田・20231021・神田北口
 グズついた天気の土曜昼、昨夜は中秋の名月でしたが、なにも秋っぽいものを食べませんでしたな……まだ夏日が続いていますが、そろそろ涼しくなってほしいと祈念しつつ、神田の新店で濃厚味噌でも。
神田@神田・20231021・店舗
神田@神田・20231021・券売機
 9月オープンのこのお店、周囲も含め建物の雰囲気が昔とは変わっていますが、かつて「麺処 花田」があった場所。1字違いの店名ですが、事前情報では内容もかなりインスパイヤしているとか。メニューもそのまま踏襲しており、「味噌」「辛味噌」のラーメンとつけ麺。野菜大盛、ニンニク増し、小ライス、麺大盛り(240g)サービスと気前のよいサービスですが、「味噌」(900円)を例によって盛り・増し・ライスなしで。
神田@神田・20231021・メニュー写真
 実はちょっと感心したのがプライシングで、メニュー写真では、デフォの「味噌」(900円)に対して、味玉1個(110円)にチャーシュー、海苔まで増しているように見える「味卵味噌チャーシュー麺」が、なんと1,000円。ということは、「味噌」は750円程度で提供可能に思えますが、デフォで1,000円越えがあたり前になってきた業界の流れをニラんで、900円とは上手い値付け。ご主人も店員も外国の方に見えますが、さすが商売上手ですな。
神田@神田・20231021・味噌神田@神田・20231021・スープ
 中華鍋で野菜を炒め、スープを入れ馴染ませてから味噌ダレを投入、調味まで済ませてから、湯きりした麺の入る丼に投入と、札幌スタイルの「花田」を踏襲した工程。まずは、スープをひと口……お、単純な「花田」インスパではなく、結構改良されてますな。濃厚な動物系ベースと濃厚な味噌ダレによる、ドロッとした口あたりはまさに「花田」。ただ、「花田」の中でも特にドロ系で賛否別れたあの神田店の「味噌」よりに対して(他店との比較は後述)、ベースの動物系をやや弱めてスマートにし、その分を赤味噌の配分を上げた味噌ダレのコクでカバーして、「重さ」の問題を見事克服。令和風に上手くデチューンされて、結構美味い。
神田@神田・20231021・麺
 麺は、手揉みのような縮れ・ねじれの入った、かなり太めの中太麺。加水率やや高めの麺を、絶妙のゆで加減でモッチリ感豊かに仕上げており、甘みも十分に引き出されて力強い仕上がり。重厚なスープに対して麺が負けていた「花田 神田店」のバランスが、見事に改良されていますな……ドンドンと、箸の運びが加速しますが、スープの熱さでダレてくると、少しモタつきも感じますな……ま、食べるスピードの遅い、中高年特有の感想でしょうが。
神田@神田・20231021・具材神田@神田・20231021・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、メンマ、炒め野菜に海苔、それに薬味はネギ2種と細かく刻んだニラ。チャーシューは、ホロホロに柔らかい煮豚タイプのバラ肉で2枚入り。「花田」は大型のバラロールでしたが食感・調味はよく似ており、ホロホロと崩れながら麺・スープに絡んで絶妙の役回り。白ネギにラー油をかけるというのも「花田」的ですが、ニラはこの店オリジナルで、おそらく中華鍋による製造工程の最後のあたりで投げ入れていたのがこのニラで(距離があったので不確か)、イイ感じで風味がフレッシュに効いてます。ただ、メンマにもラー油をかけるというのはどうかな……濃厚味噌なら、メンマにサッパリ感を求める日本人もいるのでは。

神田@神田・20231021・盛り無料
 あくまで個人的な観察になりますが、「花田」は初期に店舗展開をしながら、試行的に少しずつやり方を変えていたと思われ。それはドロ系味噌動物スープへの軽さの加え方で、最初の池袋本店ではスープをホイップすることで、次の上野店では当時流行ったベジポタ的なニュアンスを加えて、それぞれ試していたような。それが神田店では手加減なしのヘビー級をブツけられて、当時少し驚きましたが……なにがどう巡り巡ったのか知りませんが、外国の方により(?)見事に修正された「花田」インスパイヤ。プライシングも見事で、これなら「味卵チャーシュー」増強版がおススメです。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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