2018/06/19
ひるがお 人形町店@人形町 「塩玉らーめん」

日差しも徐々に「初夏」に近づき、週末ウォーキングもタオルが欠かせなくなった今日この頃、コース途中のランチは人形町の新店「ひるがお」へ。

4月オープンのこのお店、いわずとしれた前島代表率いる「せたが屋」グループの名ブランド。「せたが屋」グループは2016年に吉野家HDと資本提携しましたが、これをマスコミは「吉野家が買収」などと書いていますが……ちょっと違うような(後述)。MBAホルダ・前島氏の仕掛けですから、当然「グループとのシナジーによる成長」が目的で、その具体的成果のひとつがこのお店のはず、クォリティはそのままと見ています。

メニューは、「塩ラーメン」「塩つけ麺」「白湯塩らーめん」「醤油らーめん」の4系統ですが、「醤油」はまだ未提供。私が「ひるがお」を最初に食べたのは11年前の新宿御苑店(閉店)、その後都心でも東京駅ラーメンストリートに店舗を出していますが、いつも相当な行列ができているため近寄れません。今回は、初めて食べた時と同じ「塩玉らーめん」(850円)を、敢えて。
おぉ、細かなこと覚えていませんが、丼景色の印象は、まさに11年前と同じ、ネギにかかる揚げ貝柱粉のオレンジ色、そしてアオサの緑が印象的。まずは、スープをひと口……いやぁ、昔と変わらぬ「ソリッド&リッチ」感。ベースは鶏豚ですが、風味の広がりを敢えて抑えた、カッチリとした味わい。これに魚介系が各種加わりますが、特徴的なのは貝柱と宗田節。特に、揚げ貝柱の粉で風味までエンリッチされた貝系の旨味が印象的で、これをさらに宗田節のカッチリした旨味で包み込んで……「ソリッドなのに実にリッチ」、まさに「ひるがお」の真骨頂です。
麺もおそらく昔のまま。北海道産小麦を「逆浸透膜ろ過した純水」で練り上げるという自家製麺で、派手さはありませんがモノ静かで力強い、シッカリとした甘みをシンシンと舌に伝える、伝統の技。しなやかさとコシのバランス、スープ持ち上げとノド越しの両立など、老舗ブランドならではの、円熟したワザが光ります。
具材は、チャーシュー、メンマ、アオサにネギ、そして追加した味玉の黄身には、なぜか小海老がひとつ浮かびます。最後は炭火で仕上げるというチャーシューは、風味重視のスープに対してかなりヘビーなアプローチですが、これくらい過激なコントラストの方が、むしろ「味空間」が広がって感じられるという、これも昔から変わらぬ「ひるがお」独自の味の技法。アオサは私も料理に使いますのでコメントしますが、この高知・四万十産のアオサは年々入手が難しくなってきておりかなり貴重、シンプルながら伸びやかな独特の旨味の広がりは、一食の価値がありますな。

資本提携後も、前島氏の持株比率は33.5%ですから、実質的な経営権は保持したまま(合併・解散などの特別決議を退けられる)。では、双方何を期待しての資本提携かということになりますが……申し上げにくいですが、「せたが屋」グループの弱点は、「六厘舎」を要する「松富士食品」グループでいうなら「舎鈴」のような、一定のクォリティで多店舗展開可能な、「稼ぎ頭」のブランド育成ができていないこと。私が吉野家HDなら、味やクォリティに対する前島氏のスキルと、調達・原価管理や組織化などの吉野家のノウハウで、そういうブランドを育てることも可能、と考えるかも……そういう意図(下手をすると利用されるだけ)を理解した上で、前島氏も経営権を手放さなかったのかな。今後どういう動きが出てくるか、ちょっと楽しみ。
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