2018/06/30
誠屋 池尻店@池尻大橋 「太麺 ほうれん草」

例によって三軒茶屋で昼飯ヌキのお仕事。あの街には15時過ぎにも営業している店が少ないので、今日は発想を変え玉川通りを池尻大橋方向に歩いてみることに。途中見かけた天一にも激しく惹かれましたが、池尻稲荷の近くに「誠屋」を発見、そのまま入店。

2004年に八幡山で創業して以来、高円寺や大森に展開してきたお店で、池尻店は2010年オープン。中目黒などにある「百麺」も同じ会社の運営だとか。全くの無知識で入店しましたが、メニューを見ると豚骨醤油の「太麺」「細麺」、あとはトッピングのバリエーションという構成。そのほかにも「台湾拉麺」「誠屋の中華そば」があります。

「基本的に家系のお店なのかな」と思いつつ、店内を見ると麺のカタさが「ヤワめ」から「コナおとし」(!!)まで6段階で選べるという掲示……これは驚き。「太麺」(680円)と「ほうれん草」(100円)をポチポチして、思い切って「コナおとし」をコールしようかと思いましたが……身の危険を感じてやめました。
やはりどことなく、家系っぽい丼景色。まずはスープを一口……おぉ、コイツは意外とコンテンポラリー。家系のベーススープといえば、通常は乳化の進んだ白濁豚骨ですが、半濁と清湯の中間あたりの濁り具合。乳化を進めていない分、豚骨特有の風味が伝わりやすく、脂分が少ない分「豚出汁」の旨味がダイレクトに響く感じ。その伸びやかな味わいを活かすためかカエシも控えめで、味的にはキレ重視の家系とは全く異なるモノ。でも最近、こういう「豚出汁」的な雰囲気を活かした清湯が密かなブームになっており、意外と時代にマッチした味ですな。
麺は、やや太めの中太ストレート。家系麺の標準的な太さと比べればやや細いものの、ムッチリとした歯ごたえやノド越しの軽さは、家系麺にかなり近い。甘味も家系麺的に力強く、それでいて加水率高めのため透明感も共存。スープとのバランスは麺がやや勝ち気味ですが、そこをカエシのキレでごまかさず、豚の風味・旨味で包み込むアプローチがイイ感じ。
具材は、チャーシュー、海苔と薬味のネギ、そして増量したほうれん草。チャーシューは1枚ですが大型で厚切り、家系によくあるタイプとは異なり、かなり火を入れたロースト・ポークか厚切りハムのようなシッカリとした食感で、肉の旨味を活かした味付けもナカナカ、こういう店にありがちな保存による劣化もありません。ほうれん草もフレッシュ感があり、ありがちな「ゆで湯管理」由来の妙な風味もまったくなし。おかげでややユルめの搾り加減でも、最後までシッカリと風味を楽しめます。卓上の刻みニンニクや豆板醤も試しましたが、乳化させずコッテリ感もないスープなのに、きちんと「豚出汁」しているために、驚くほどよく合います。

2014年には日本橋に進出したものの翌年撤退、高円寺店も2010年に閉店するなど、グループとしての成長は一進一退ですが……味としては、時代の方が勝手に巡り巡ったせいもあって、再び「最先端」的な輝きを取り戻していたり。いや、「ようやく時代の方が追いついてきた」という方が、良心的かな。最新の流行から見ても、なかなか見どころのある一杯、これは長年宿題となっている「百麺」も、早めに挑戦すべきかもしれません。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking
- 関連記事
-
-
らーめん 茂木@三軒茶屋 「雲吞麺」 2018/11/10
-
めん 和正@三軒茶屋 「中華麺」 2018/10/13
-
誠屋 池尻店@池尻大橋 「太麺 ほうれん草」 2018/06/30
-
Kinton Ramen@三軒茶屋 「豚骨・味噌」 2018/06/13
-
麺処 禅@三軒茶屋 「禅そば」 2018/05/27
-
スポンサーサイト
コメント