2018/07/28
海老麺総本家 JIMOTOYA@麻布十番 「海老塩」

猛烈な日差しで高温注意報もでた東京都心、家で大人しくしていようかと思いましたが、ランチを作る食材もなく、買い物に出るくらいなら……大雨・大雪の際の備えとして、地下鉄駅出口から徒歩1分以内の新店を、未訪のままリザーブしてあることを思い出しました。
麻布十番の「JIMOTOYA」は、地下鉄7番出口から徒歩30秒、プレオープンは去年12月です。ただ、お店はご覧のような重厚な外観・内装で夜営業のみ、メニューもハイブローかつハイプライスで、ちょっと近寄りがたく感じていました……しかし、この5月からランチ営業が始まり、特に土曜は通し営業で、訪店のチャンス。

ランチメニューは、「海老塩」「海老味噌」「海老醤油」「海老カレー」の4種類。もともと函館で「地元家」として店舗展開していた会社の運営ですし、訪店前から「塩」が主力じゃないかと思っていましたが、やはりメニューにも「海老塩」(1200円)に「看板メニュー」との記載、もちろんコイツをお願いしました。
それによく見ると、「瓶ビール」500円、「ハイボール」300円など、夜メニューより格段に安いスペシャルプライス。海老にワインなんかも合いそうかと「グラスワイン白」(300円)と、サービスの小ライスもお願いしました(夜は300円)。ちなみにこの白ワイン、ハウスワインにしてはシッカリとしたボディ感で、これが300円ならなかなかお得。
まずは、スープをひと口……値段からしてもっと派手な味を想像していましたが、意外にも「繊細」で落ち着いた味わい。一杯あたり、甘海老を40匹も使っているというこのスープ、量が多ければ当然出てくるエグみを一切排して、旨味とホノ甘さをピュアに抽出した「海老出汁」と、ライトでスマートな豚骨を、Wスープのように丼で合わせた上に、海老油で香ばしさを加えています。非常に繊細な感覚でバランスがとってあり、Wスープ的なので「味のゆらぎ」も面白く、海老油の香ばしさにも抑えがきいて……「ミシュラン獲得シェフ」監修だそうですが、さもありなん。
麺は、やや細めの中太ストレート。加水率高めの麺を、ややカタメにゆであげて、ポリッとした歯切れとモチッとした歯応えが相半ば。多加水ゆえのスッキリとした味わいが、「鏡」のように極上のスープを映し出すような役回りで……こちらも、非常に繊細な感覚でバランスがとってあります。
具材は、鶏そぼろ肉に味玉半個、それにキャベツなど野菜類と薬味の白ネギ。鶏そぼろは最初丼底に配置され、食べ進むうち麺・スープに次々と絡んでくる演出。敢えて味付けを抑えて鶏本来の風味を海老・豚骨に加味するアプローチで、コイツはなかなかのハーモニー。味玉の、やや派手なキリッとした味付けも、麺・スープが繊細なバランスだけに、クッキリとしたコントラストを加えます。

小ライスを、レンゲでスープに浸していただきますと、ご飯のようなハッキリとした甘さでは、すでにこのスープとのバランスが崩れますなぁ……これも、麺がいかに慎重に選んであるかの証左かと。

そもそも魚介系に白ワインは合いますが、豚骨のおかげでベースの旨味に加わる多少硬質な表情と、この白ワイン特有の、後味のカッチリ感も見事にマッチ、この組み合わせは大正解ですな。麻布十番で過ごす昼下がり、函館ならではの「海老塩」に、300円で白ワインをプラスして、麻布的で「ハイソ」な雰囲気をほんのちょっとだけ垣間見るのも、一生この辺りの「地元民」になれそうもない「その他庶民」の、ささやかな楽しみになるかもしれません。
店舗情報は、こちら。
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