2018/09/04
麺匠 きんいろ@水道橋・神保町 「あごだし塩ラーメン」

週末は30度強程度に気温が落ち着くとの週間予報、ならば食べ歩きも可能と狙いの店を選び、イソイソお出かけしてみますと……どう考えても路上の温度は体温より高い。うなだれながら、三崎町の路地を南へ向かい、新店「きんいろ」を目指します。

8月オープンのこのお店、「きんいろ」とは満月を意味しているとか(詳しくは公式HPを)。メニューは、ラーメンが「あごだし醤油」「あごあし塩」と「鶏塩」「鶏白湯」、そして「濃厚鶏魚介つけ麺」という構成。券売機のボタン配置から、「あごだし醤油」がイチオシなんでしょうが……塩系の方が30円高いのが気になる。食べ歩いているとこういうケースに結構出会いますが、「実は塩に自信」を意味する場合が多い。ここはひとつ、「あごだし塩ラーメン」(880円)をポチッとな。店内BGMは最近では珍しくモータウン系で、70~80年代ディスコ定番曲のオンパレード。
「塩」にしては、褐色がかったスープ表面の色合いが印象的。まずは、スープをひと口……なるほど、あごの「甘み」にフォーカスしようというアプローチ。鶏清湯とあご出汁のWスープ、あごは水出しすると旨味タップリでホノ甘い出汁が取れますが、その甘みを活かすべく、塩ダレも「甘塩」的な寄り添い方。ただ、あご出汁は加熱すると、風味も甘みも少し淡くなってしまいますが、それをこの温度でもかなり強く残しているということは、かなり多めに入るこの魚粉には、あご焼き干しも入っているのかも知れません。
麺は、中細ストレート。多加水で、ツルリとした口あたりとノド越し、使うかん水も少ないのか雑味も少なく、透き通るような淡い甘み。こういう麺とあのスープを合わせようという発想が、ちょっと「ラーメン業界」的でなく、別の食文化、例えばイタリアンの感覚が入っているのかも知れません。ラヲタ的には、かなり新鮮なコンビネーション。
具材は、チャーシュー、メンマ、味玉半個に、海苔とネギ。チャーシューは注文ごとにバーナーで炙って提供、見た目通り豚バラロールだと思って食べると、その淡白な味わいにちょっとビックリ。実は宮城県白石市・竹鶏ファーム産の鶏を使った鶏チャーシューで、ジンワリとした味わいが、すぐに鶏清湯に馴染んでいきます。味玉も竹鶏ファーム産とか、黄身の甘みがグッと強くて、コイツもなかなか食べ応えのある一品。

終盤、ただのブラックペッパーだと思っていた卓上アイテムが、紀州の「ぶどう山椒」であることに気づきました。「ぶどう山椒」といえば高級品として名高い一品、早速コイツを少量入れてみますと……おもわず目を見開くほど、実に鮮烈でフルーティーな香り、これがどうしたことか、甘めの塩スープにも結構合う。ただし、時間差をおいてシビレも少し来ますので、最初から使うことはお勧めしません。

おそらく、ラーメン業界的な発想だけでは生まれなかったであろう、新鮮な味わいの一品。なによりも、あご出汁の本質が「甘み」にあること(私見)を見抜いた上で、そこからすべてを紡ぎだすアプローチに、「ラーメン」的な発想に囚われない自由な感性を感じますなぁ……麺の仕立てやチャーシュー含め。公式HPをあらためて見ると、つけ麺には「ぶどう山椒」の他に「越後かんずり」も最初から使うなど、さらに独特な感性が発揮されている模様。コイツは再訪が必要かもしれません。
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