2019/01/23
初代 葱寅@新御茶ノ水 「中華蕎麦 しお」

時折、パラパラと冷たい雨の降る土曜午後、今夜は雪になるそうなので、ウォーキングは夕方までに片付けたい。すぐに地下へ退避可能な都心にルートを選び、起点は新店「葱寅」ができた新御茶ノ水駅ということに。場所は、3b出口から徒歩2分。

1月オープンのこのお店、母体は山形県天童市の「ねぎびとカンパニー」という、葱やかぼちゃを生産・販売している会社。代表取締役が「清水 寅」さんで、主力商品が「寅ちゃんねぎ」、そしてラーメン業態初挑戦が「初代 葱寅」という流れのようです。

入店して目の前にあるキャッシャーで注文し、先払いするシステム。麺メニューは「中華蕎麦 しお」「中華蕎麦 しょうゆ」、その他「初代葱寅肉饅頭」やなぜか数量限定の「葱飯」など面白そうなラインナップ。とりあえず、筆頭メニューの「中華蕎麦 しお」から「味玉蕎麦」(900円)をオーダー。カウンター8席程度のお店ですが、厨房内は3人態勢という充実ぶり、運営側の意気込みを感じます。
朝モヤというか春霞というか、絵画でいう「朦朧体」的な雰囲気の丼景色。まずは、スープをひと口……なんと、コイツは主体が「牛スジ」。能書き(写真は上掲)では、「利尻昆布・広島産牡蠣・鯛煮干し・国産牛アキレスなど」から出汁をとったとされており、てっきり魚介系かと思っていましたが……牛脂のクドさを丁寧に取り除いた、スッキリとした牛スジの味わいを主体に、魚介系の透き通るような旨味を加えて、実に伸びやかでスマートな味の表現。いやぁ、コイツは美味い……牛テール的なニュアンスもあるスープですので、当然のごとく塩ダレが合うし、卓上の胡椒もバッチリ合います。
麺は、足立区保木間の製麺所・享屋製の極細ストレート。北海道産「ユメノチカラ」使用の熟成麺を、実にしなやかにゆであげてあり、まるでそよ風が吹き抜けるかのような心地よいノド越し。極細麺がドップリとスープを持ち上げ、牛スジの柔らかな押し出しを、多加水麺特有のスッキリとした甘みがサラリと受け流すようなコンビネーション、コイツもバッチリ合ってますなぁ。
具材は、チャーシュー、メンマ、薬味のネギに、追加の味玉。チャーシューは、豚バラ肉による煮豚的な仕上げのモノ、箸で持ち上げることができないほどの柔らかさ、頬張れば口の中でトロトロ溶けて、口腔に肉汁の旨味を充満させます。味玉も、素材の美味さを活かした自然な味付け、半熟具合もご覧の通り文句なし。丼と一緒に柚子がひと欠片提供されますが、コイツを少し回しかければ、わずかに残る牛スジ的なクドさも消えて、実に「清廉」で「朦朧」とした味の世界に……ただ、葱の印象は意外に弱く、いい素材なのでしょうから、もっと別の演出方法もあったかも。

「透明感重視の牛スジ出汁」という、ある意味「自己矛盾」したテーマを、上品な魚介系と麺の透き通るような甘みで解決してしまった、驚くべき一杯。ただ、運営会社の本来の強味、そのコダわりぬいたネギのパワーをどうやって活かすかに、もうひと工夫要りそうですな……果実より甘い糖度19%超というネギのパワー、それをラーメンの中でどうやって「解放」すべきか、外部の知恵を借りるなど、もっとオープン・イノベーションしてみてはいかがでしょう。
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