2019/11/14
銀座一蘭@新橋 「銀座重箱」

土曜日、午前中の雨は上がりましたが、低く垂れこめた鉛色の空。週末ウォーキングはどこか地下街を使うことにして、その前提でランチのお店を検討しましたが……結論は、「銀座一蘭」ということになりました。

10月オープンのこのお店、場所は東急プラザなどが面する外堀通りと、コリドー街終端がクロスする新橋駅近く、ラーメン店ならこれ以上は望めないほどの好立地で、いやさすがの資本力。ですが、週末昼下がりで悪天候ゆえ、行列嫌いの私がにらんだ通り、店内は4割ほどの客入り。能書き(写真は下掲)では「通常は『一蘭 銀座店』とするところを、尊敬の念を込めて店舗名を『銀座一蘭』と」したとのことですが、店内はご覧の通り、多店舗と変わりない「ブロイラー」スタイル。

麺メニューは、「ラーメン(銀座重箱)」(1180円)一本で、あとは「煮込み焼豚皿」(490円)など副食やトッピング、とりあえずこの「銀座重箱」をポチッとな。スープは従来と同じで、麺とチャーシューにコダワったそうですが、それでも豚骨を1,200円で食べる時代になりましたか……「ブロイラー」席で、じっと手を見る。ちなみに、「一蘭」共通の「オーダー用紙」は、すべてデフォで書き込みお渡ししました。
重箱スタイルのズッシリとした器、重いフタを開けますと、「ブロイラー」席の近接照明を、キラキラと照り返す魅惑の丼景色。まずは、スープをひと口……世界に展開する「一蘭」共通の、完成され切った味わい。私は行列嫌いですので、行列店「一蘭」はいつも避けており以前食べた記憶も遠い昔ですが、その感覚からしても乳化した脂分のコッテリ感と、雑味のない素直な旨味、そしてタレによる力強い輪郭線に加えて、「赤い秘伝のたれ」によるアクセラレーションと、文句なしの「予定調和」。他店と基本的には同じと知りつつも、期待通りの安定感と安心感、他分野でもそうですが、大組織でこうした「伝統」を守るのも、それはそれで苦労するもの。
他店と違うのは麺とチャーシューで、見かけは他店と似ていますが、「大吟醸麺」を使うのが「銀座一蘭」のウリ。小麦表面を磨き込んで、芯に近い部分のみを使うという吟醸酒と同じ考え方、それを「麺のかたさ=基本」指定でも、持ち味を最大限に引き出すためか、かなり柔らかめにゆで上げてあります。後述する通り「蕎麦」でも同じ現象が起きますが、穀類を磨き込むと風味・雑味が薄れピュアでシンボリックな甘味だけが残ってしまい……蕎麦ならカエシに圧(お)されてしまい、この一品ならスープに圧される。バランス的には、どうなんでしょうなぁ……
具材は、チャーシュー2枚と万能ネギ。この「糸巻き焼豚」が、麺と並ぶ「銀座一蘭」のもう一つのウリで、たしかに美味い。バラ肉の脂身までシッカリとタレがしみており、そのプリッとした口あたりと味を楽しみつつ、それがジックリ味付けされた赤身とシナジー、それがコッテリ感やや強めのスープともさらにシナジーして、いやナカナカの食べ応え。ただし、期待したほどの厚切りでもなく、チャーシュー2枚はアッという間に消え去ります。

バブルがハジけた少しあと、会社の近くに蕎麦を磨き込んで「大吟醸」化した上で、しかも十割蕎麦として出す店ができて何度か訪れました。ザルでも2000円以上はするお店でしたが、あまりにも蕎麦の味わいが「ピュア」過ぎて、カエシの味が勝ちすぎ興醒めしたもの……なぜか、そんな記憶が呼び覚まされた、この一杯。しかし、食べ終わり退店するころには、中国系や欧米の観光客の方で、9割がたの客入り。「一蘭」はNYや香港・台湾でも、それなり(2000円以上)のお値段がすると聞いていますので、それに比べれば「安い」のでしょう。経済面で見て、日本の食文化の「ガラパゴス」化が、かなり気になりはじめたオジさんなのでした。
店舗情報は、こちら。
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