2019/11/26
ひつじそば 人と羊@神保町 「羊中華」

土曜日、久々に担々麺でも食べて週末ウォーキングしようと思い、大手町の新店をのぞきますと……なんとなく予想していましたが、臨休直撃。やはり、夏にさんざん担々麺を避けまくっていたバチがあたったようですな。直ちに踵を返し、神保町の新店「人と羊」(ひととよう)へ、例によって名物スポット「ミッキー」の前を通って向かいます。

「ねいろ屋」移転にともない、入れ替わりで11月にオープンしたこのお店、両者は系列店になる模様で、たしかに看板のデザイン・コンセプトも似ています。店内も、「ねいろ屋」を完全に居抜いたもので先客2名、そのうち1名は「官僚」さん。メニューは、「ひつじそば」と「羊中華」、スープはそれぞれ「羊と鶏のコンソメ」と「サバと羊のW」だとか。どちらも興味津々ですが、とりあえず「羊中華」(850円)をオーダー(後払い制)。
丼が前に置かれた途端、強烈に漂ってくるラムの香り、表面を油膜が覆ってこの香りですので、油膜自体がラム・オイルなのかも。まずは、スープをひと口……コイツは、最強レベルの「羊」インパクト。「羊とサバ煮干、サバ枯節」からなるこのスープ、食べ進むにつれ味わいは変化するのですが、序盤はラムの風味が全開で、若干苦手意識を持つ私はムセそうに。しかし、味わいとしては穏やかでフックラとしたラム独特のまろやかさが際立って、好きな方にはタマラないかも。脂を麺があらかた拾い、特有の香りが和らぐ後半は、動物系と相性抜群のサバ節が大活躍、ラム・醤油と深く馴染んで非常に豊かな味わいに。かつてない構成ですが、かつてない美味さで思わず「刮目」。
麺は、中細のストレート。麺肌に浮く粒々模様から全粒粉使用と思われますが、甘みは素直でシットリと力強い。多少柔らかめにゆで上げてあり、ススリ心地がよい上に、麺肌にごく微妙なザラツキ感があって、スープ持ち上げも非常に快調。特に、スープの味わいが美味さの極みに収斂してくる後半に、麺の甘みがちょうどバランスしてくるよう設計されているあたりに、「ねいろ屋」系ならではの「凄み」を感じますな。

具材も非常にユニークで、「ラムチキンロール」に羊そぼろ肉、大きな平サヤインゲンと水菜に糸唐辛子、薬味は刻んだ紫タマネギ。「ラムチキンロール」は厚切りが2枚入り、ご覧の通りラム肉を鶏モモ肉でロールしてあり、なぜかラム肉のクセもなく、両者の風味が深く融合して実に美味い……いやぁ、コイツは単品で一流レストランに出せるレベル。平サヤインゲン(モロッコ・インゲン)をドドンと入れているのも革新的で、序盤ムンムンとした「羊」感の中でコイツをカジれば、非常に優れた箸休め。

イノベーションとは、その提唱者のシュンペーターによれば、実は全く新しいモノを「創造」することではなく、既知のモノや力を新しい方法で「結合」すること(当初「新結合」と呼ばれていた)。すでに「羊」に関しては、後楽園の「MENSHO TOKYO」が様々なイノベーションを試みていますが、魚介系との「新結合」に関しては、同店の「ラム煮干中華そば」以来のチャレンジで、勝るとも劣らない「カタルシス」が、ここにあります。こうなると、新メニューの「みそひつじそば」がとても気になる。どんな「新結合」が待っていることやら。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking
- 関連記事
-
-
孫鈴舎@東京 「らーめん」 2020/02/19
-
濃厚蟹みそラーメン 石黒商店@神保町 「特製濃厚蟹みそらーめん」 2019/12/23
-
ひつじそば 人と羊@神保町 「羊中華」 2019/11/26
-
麺屋 他力@神田 「(白丸)濃厚地鶏中華そば」 2019/11/20
-
まぜそば専門店 シン・アジト@御茶ノ水 「まぜそば(醤油)」 2019/11/11
-
スポンサーサイト
コメント