2020/02/09
日本橋麺処 こはる@三越前(リニューアル) 「清湯つけ麺」

2017年に、神田「悠(HARUKA)」のセカンド・ブランドとしてオープンした三越前「こはる」が、昨年11月に閉店。その経営を、赤羽「夏海」から「悠」に移籍していたカレー職人・木村氏が引き継いで、今年1月にリニューアル・オープン。「つけ麺」がイケるとのネット情報でしたので、平日夜に訪店しましたが……19時過ぎにしてスープ切れ。ならばと土曜昼に出直しました。

メニューは、「醤油らぁめん」「塩らぁめん」「清湯つけ麺」と、実は看板メニューの「チキンカレー」。リニューアル前、つけ麺メニューは「白湯つけめん」でしたので、やはり「清湯つけ麺」(980円)にリニューアルの「志」が宿っていそう、もちろんコイツをポチッとな。中盛無料ですが普通盛指定、副食禁止の身の上ですので、泣く泣くカレーも諦めました。
おぉ、コイツはまた具沢山、配膳時に「『オロチョン』は後半の味変にどうぞ」と木村氏からひと言。では、つけ汁をひと口……なるほど、これまでの味を受け継ぎながら、独自のヒネリが加えられていますな。ベーススープは、スッキリとした鶏ガラと、魚介系・香味野菜でバランスをとり、どの食材も突出させずに「穏やか」に仕上げる「こはる」本来のアプローチ。醤油カエシのジンワリとしたきかせ方も従来通りですが……これに、生姜がガツンと聞いているのが「What’s New」。炊き込みではなく、明らかに配膳前にすりおろして加えており、実に鮮烈な風味と辛味。さらにアト付けの酸味も効きがよく、「悠」から新宿「ほりうち」系の味わいを引き継ぎつつ、独自に尖らせたようなスタイル。
麺は、三河屋製麺製の細ストレート。麺は、細さ以外は設定を変えてきたようで、以前は全粒粉使用の多加水麺でしたが、加水率を少し落として普通の中華麺的なホンワカとした甘さを活かした仕上がり。長さから見てつけ麺専用ではなく、他メニューもこの麺でリニューアルしてあるのかも知れません。実にしなやかなノド越しと、ポクポクと軽快な歯切れ、小麦の素朴な甘味がつけ汁の生姜と酸味でクッキリと際立ち、オーソドクスな「中華つけ麺」的な魅力が存分に発揮されます。
具材は、麺皿のロースト・ビーフと鶏ムネ肉、つけ汁には多めのメンマと肩ロース・チャーシューの細切り、そして笹切りのネギがタップリと。券売機のメニュー写真を見ても、「醤油らぁめん」「塩らぁめん」の具材とは明らかに具材構成が違っており、やはりこのメニューに賭けた「何か」を感じます。メンマに「ほりうち」的な風味を感じるのと、ネギが多くてややウルさい以外は、どの具材もなかなかの仕上がり。「オロチョン」を麺に添えて使ううち、つけ汁の辛味と酸味が同時にヒートアップする仕掛けで、終盤に向けどんどん箸が進みます。

スープ割りをお願いすると、基本のベーススープが足されて返されますが、徐々にヒートアップしてきた辛味と酸味がスッと引き、ホッと息をつき落ち着いた気持ちでエンディングを迎える、まるで映画のエンドロールを眺めているような気分。味的に、特にヒネリはなくても、途中のストーリー・テリングがシッカリしていれば、エンドロールでカタルシスを与えることもできるという、好例ですな。

本来、新宿「ほりうち」系の「悠」が、セカンド・ブランドに気負ってイロイロと趣を変えてきた部分を、本来の「ほりうち」的な方向性にもどしつつ、独自の演出を加えた一杯。木村氏の「いぶし銀」的な感性には、唸るほかありませんが……お隣には、この界隈(日本橋)の住民と思わしき親子。資産の運用や相続に関して、穏やかに会話を進めておられますが……やはりこういう街には、ギタギタ/ドロドロ/ドッカン/セメント的な一杯な似合いませんな。木村氏の商売センスには脱帽です。
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