2020/05/18
小麦と肉 桃の木@新宿御苑前 「コクまろ塩」

この2カ月ほどは、ほぼ完全な巣ごもり状態、食べ歩きも全く控えておりましたが……1月には予定が決まっていた新宿方面のお仕事のために、久々の外出。ランチは御苑に足を伸ばし、こんな時でないと行列嫌いは近づけない某店をのぞきましたが、やはり休業中。

さらに何店か見回ってみましたが、その途中「佐高」が4月24日に閉店したことに気づき、大ショック。5月中旬になって気も緩んできたのか、この日の御苑は結構な人通り、もう少し粘ってみる手はなかったのかな・・・・・・それとも、もともとそういう計画だったのかしら。
どこにしようか迷いつつ、「桃の木」に入店。2009年に「せたが屋」グループのお店としてオープンしましたが、2017年に閉店。その後個人店として2019年2月に再スタート、当初は午後の時間帯にクレープ屋さんになる二毛作店でしたが、今はつけ麺一本でやっているようです。表の掲示物を見ていると、「我武者羅」グループとの関係が強く感じられましたが、あるいは資本的に少し安定したのかしら。

再スタート時は閉店前のメニューに似ていたようですが、現在はご覧の通り「背脂生姜醤油」が筆頭で、「旨辛ゆず醤油」などが入り、以前評判だった「天使のらぁ油」「ブルガリア」といったユニーク系は消えました。なんか筆頭メニューのスタイルにも、「我武者羅」的なニュアンスを感じますが……とりあえず、かつて筆頭だった「天日塩味」の後継と思われる、「コクまろ塩」をポチッとな。
写真は例によって、スマホのAI演出によるド派手な発色。まずは、つけダレをひと口……これぞ「桃の木」、健在なり。つけ汁とは思えないほど、穏やかでまろやかな味わい、豚テールの朴訥とした旨味を、昆布や煮干しでフンワリと膨らませて、自然な塩味でスッと描く輪郭線。まさに春風のような、優しい味わいですな。
麺は、フェットチーネのような太平打ちで、国産小麦にコダワり100%、コイツをつけ汁にくぐらせ、スバァ~~ッとイキますと……穏やかなつけ汁に持ち上げられるように、麺本来の味わいが力強く盛り上がってくる感じ、本来つけ麺はこうあるべきですが、まさにその理想形。国産小麦麺は大人しい味が特徴的ですが、その裏に隠された甘みの力強さや、ひなびた風味までがクッキリと押し出されてくるようで……いやぁ、こいつは美味い。

具材は、薄切りの豚バラ肉と油揚げ、そして白髪ネギ。やはり白眉は油揚げで、タップリとつけ汁を吸ったコイツが麺に絡んで、味のバランスをそよ風のように揺るがします。つけ汁・麺のコンビネーションが緻密に計算されているからこそ、こういう「揺らぎ」がドラマを生みますなぁ……最後は、昔から変わらぬ「そば湯割り」。基本的にホッコリとした味空間の設計が、さらにそば湯のホッコリ感に包まれて迎える、クライマックス。

緊急事態宣言の延長から1週間、けれども御苑の人通りはいつもの日常を取り戻しつつあり、この日の「桃の木」も満員で、店内には立ち待ち客すら。一方、店主さんはワンオペで奮闘、以前クレープ屋さんだった窓口も今はテイクアウト用になっており、テイクアウトメニューもご覧のようにずいぶん充実。コロナのような「ブラック・スワン」にも耐えながら、「地に足つけて生きていく」って、本当に大変ですよね……4月以降生き方が大きく変わった私には、眩し過ぎる光景でした。
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