2020/06/21
らーめん 天天有@神田 「らーめん」

外出自粛のせいだけでなく、人生の転機にあたって時間に追いまくられ、3カ月近くはほとんど食べ歩かなかった、コロナの日々。少し落ち着いたら、行ってみようと思っていたお店もいくつかあって、その筆頭が「天天有」。まだまだ仕事は山積みですが、今日一日は頭を空っぽにすることにして、電車でお出かけ。

京都一乗寺にも「天天有」という有名店がありますが(大井町に支店)、こちらは鹿児島の老舗で創業は1961年、それが3月に東京進出してきたもの。メニューは基本的に「らーめん」一本で、デフォ650円とは見上げたプライシング、とりあえず「らーめん 味玉付き」(750円)をオーダー(後会計制)。

能書きによると、南九州ではラーメンを待つ間、箸休め的にお漬物でもいただくのが「文化」だとか。卓上の壺から少し出し、甘口醤油を少しかけていただきますと……いやぁ、コイツは美味い。風味・酸味を抑えながら、フレッシュな旨味がほとばしるようで、これに絡む甘口醤油とのバランスが絶妙。
そうこうするうち、主役登場(例によってAI補正でド派手な発色)。まずは、スープをひと口……豚骨主体なのに、コクではなく旨味のコンビネーションを打ち出すという、珍しいスタイル。公式HPによれば、鹿児島黒豚の豚頭をはじめとした豚骨を、24時間炊いたというこのスープ、そこに椎茸の旨味が自然に寄り添うところがユニークで、さらに落花生由来の甘みや魚介系の旨味が、実にさりげなく絡みます。タレによるキレの演出や、豚骨のコクも過度に強調されず、フンワリとした旨味のハーモニーを楽しむ、そんなスープですな。
麺は自家製で、やや細めの中太ストレート。宮崎や鹿児島によくある柔ゆでと聞いていましたが、意外にもややカタメのゆで加減、東京進出後に修正したのかも。外連味のない素直な甘さが印象的で、ユルフワな旨味のスープと相性バッチリ、なんとも優しい食べ心地ですな……しかし、これを卓上アイテムでカスタマイズできるところが、お楽しみ。
まずは、「田舎味噌に奄美産黒糖、チャーシュー、ニラ、生姜、大蒜の旨味を加えた」という卓上「豚味噌」を投入。その効果はテキメンで、トガリのあるソリッドなコクがグッと立ち上がり、特にニラ・生姜が描く輪郭線が味を引き締めます。
さらに、卓上の刻みニンニクと、「焙煎七味 黒」を投入。敢えておろさず刻んだニンニクの金属的な辛味を、焙煎七味の香ばしい辛味がアクセラレーションするようなコンビネーションで、豚味噌のコクをさらに際立たせます……これはもう、デフォのユルフワ・スープとは全く別物。
具材は、チャーシュー、細モヤシ・ネギに、追加の味玉。私の故郷、広島のラーメンでも多用される細モヤシ、田舎臭い風味とシャキシャキ感がたまりませんなぁ……そして、目立ちませんがチャーシューも味玉も美味い。特にバラ肉・チャーシューは、タレによる味付けが実に見事で、同じタレをつかったスープや豚味噌とも相性抜群。卓上アイテムで、スープをユルフワからガッツリ系に変身させても、このチャーシューもモヤシも、キッチリ追従してきます。

この3カ月間、お昼は家でカップ麺を食べる日々、コンビニでメンマなど具材を買ってきたり、少し出汁に変化を加えて遊んだり……正直言って、飽きたといいますか、疲れましたな。やはり、こうしてホンモノをいただくと、頭の先から手の先までミナギる「何か」があります……自粛中の宿題が多すぎて、次の目標に迷うオジさんなのでした。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking
- 関連記事
-
-
麺処 リュウグウ@神保町 「あさりらーめん」 2020/08/16
-
ちえちゃんラーメン@神田 「中華そば」 2020/07/26
-
らーめん 天天有@神田 「らーめん」 2020/06/21
-
RAMEN しじみ軒@神保町 「しじみ塩そば」 2020/05/22
-
ラーメン凪 BUTAO@神田 「ラーメン(翠)」 2020/04/19
-
スポンサーサイト
コメント