2020/10/25
麺処 に志の@恵比寿 「帆立白醤油そば」

久々に晴れた週末、気分もよいので少し足をのばして恵比寿へ。日比谷線で向かいましたが、土曜昼の下り線だというのに結構な数のお客さん、なんかコロナ前に戻りつつある感じが少しだけ。目指すは新店「に志の」、場所は恵比寿神社脇で「おおぜき中華そば店」のすぐ近く。

10月オープンのこのお店、事前情報では原価度外視の創作ラーメンがいただけるとか。麺メニューは「奥出雲醤油そば」と「帆立白醤油そば」の2本立て、店前に掲げられた能書きを少し読むと、「帆立白醤油そば」には北海道の「枝幸の帆立」を使っているとか、私みたいな食音痴でも聞いたことある「名品」ですな。もちろん「帆立白醤油そば」(1,200円)をオーダー(後払い制)。
黄金色のスープが、鮮やかな緑と赤で彩られて、なんとも華やかな丼景色。では早速、スープをひと口……なんとも「奥深い」美味しさ。能書きでは、「枝幸の帆立、枝幸の干し貝柱、利尻昆布、貝出汁、煮干し他(中略)4種の白醤油・白だしを合わせた上に、吟味した塩を数種類調合」という凝った内容。
味の「柱」はもちろん帆立で、力強さと上品さを兼ね備えた気品漂う味わい、それにどこか「香ばしさ」が感じられ、帆立は少し火入れしてから出汁をとっているのかも。この帆立に貝出汁のまろみが深く馴染み、昆布とシナジーした旨味がパッと花咲いて、それを白醤油がゆるやかに引き締めるという……奥ゆかしくも見事な構成。
麺は細ストレートで、麺肌に粒々が浮かんで、全粒粉使用と思われます。国産小麦特有の大人しい甘味ですが、全粒粉により力強さが加えられ、気品と力強さを兼ね備えたスープに実によく合う。ゆで加減も、しなやかさと歯切れを両立した絶妙の仕上がり、実に心地よいノド越しですが……これには後述する「後日談」。
具材は、丼に枝幸の帆立と穂先メンマ、そして薬味は大葉と赤タマネギ。そして別皿で、鴨と鶏のチャーシューと、ネギ2種の薬味、魚介系で満たされた丼内に、動物系の具材は入れないという、このあたりもなかなかのコダワリ。帆立は中心部に少しナマの部分を残す、絶妙の調理、モチモチ・プリプリした食感で、何とも豊かな風味と甘み、さすが「名品」の誉れ高き一品ですな。感心したのは赤タマネギと鴨肉で、赤タマネギはしっかりと下ごしらえしてあり、辛味が消えてフレッシュ感のみ、鴨肉も独特のクセを完全に消してあり、純粋に力強い風味だけが、ズシンと舌に響きます。

気づくと隣のお客さん、凄まじい音を立てながら大量に麺を啜っておられます。アッという間に麺がなくなり「和え玉」(250円)を注文、それもアッという間に食べ終えられましたが……こんな「芸術品」なのに、そういう食べ方じゃ勿体ない。最近ラーメンを食べ歩いていると、こういう「蕎麦」的な食べ方をよく見かけるようになりましたが……先日ふと見たテレビで、タレント・ギャル曽根が、なんと担々麺を「蕎麦」のように豪快に啜っておりまして……なんともはや。「蕎麦」と違って、ラーメンでは麺ノド越しは魅力のひとつにすぎず、それ以外にも楽しむべき魅力は数知れず。こういう勿体ない食べ方を、テレビで広めないでいただきたい。
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