2020/12/20
蔵前中華そば 高ひろ@蔵前 「煮干しとしらすのらーめん 塩」

木枯らしが吹いておりますが、気温はなぜか20度以上という、なんだか不思議な気候の11月下旬。コロナの新規陽性者も増えてきたし、そろそろ妙な営業制限がかかりそうな気配、その前にオープン直後の行列を避けていた人気店に挑戦。

9月オープンのこのお店、イタリアン「プリマベーラ」が業態変更してできたお店とか。メニューは「丸鶏醤油らーめん」と「煮干しとしらすのらーめん」の塩と醤油。メニュー名に「しらす」が入るのも珍しければ、醤油よりも塩を先に並べたメニューレイアウトもちょっと気になる。ここは、「煮干しとしらすのらーめん 塩」(800円)で。
しらすの赤と、九条ネギの緑が、なんとも鮮やかに映える丼景色。まずは、スープをひと口……能書きからは想像できない、なんとも優しい味わい。能書きでは、煮干しに「香川県伊吹産のいりこを中心に、瀬戸内のいりこ、千葉県九十九里産の青口煮干しの数種類」を使っているとのこと。これら煮干しの顔ぶれなら、かなりクセのあるハードな風味になりそうですが……クセもなく柔らかな風味で、驚くほど旨味が豊か。この出汁に、鶏のスープを加えて優しさとたおやかさをさらにアップ、塩ダレも実にマイルドでソフトな効かせ方……ホッとひと息つける、そんなくつろぎの味わいです。
麺は、やや太めの中太縮れ。多加水麺に手もみ的な強いネジレがついており、扁平した断面からも喜多方的なニュアンスが感じられますが……結果的には全くのベツモノ。北海道産小麦100%使用ゆえの純朴な風味、さらに多加水な上に非常に柔らかめにゆであげて、まるで「妖精」のようにピュアな味と食感。コイツがどこまでも優しいスープに、まるで溶け合うように馴染む上、縮れでスープをタップリと持ち上げ、微妙な煮干し風味が全体をそっと引き締めて……いやいや、なかなかのカタルシス。
具材は、チャーシュー、メンマと、しらすにナルト、薬味は九条ネギに加えて白ネギをパラリ。白眉はなんといってもしらすとネギ。しらすは佃煮的な味付けをした上で炒った感じのモノで、スープ・麺が醸す「優しい世界」に、ビシッと彫りを刻んできます。九条ネギも京都の契約農園直送で、同地で同ネギには親しんだ私でも、「おっ!」と驚くハードな味と食感。スープ・麺が形作る「優しい」世界が「完璧」であるほど、このしらすとネギの「薬味」感が、実に鮮烈に感じられますなぁ……これは見事。

週末の蔵前でラーメンを食べ歩くと、2~3人連れの地元客が多いことに驚きます。それを見込んでかこの店も、カウンター席よりテーブル席が多いレイアウト。2人以上はテーブル席へ、1人客はカウンター席へと、誘導も徹底していますが……しかし、お店の「行列捌き」は、2~3人客が先頭待ちすれば、そのあとが一人客であっても待たせる不思議。結果としてカウンターがガラガラでも、店外で一人客が何人も待ってたり。コロナの影響で客席にセパレーターが設置され、カウンターへ無理に2人以上客を通すこともないのであれば、これからの寒い季節には、工夫の余地ありかも知れません。
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