2021/07/27
笠岡らーめん TAKETONBO@築地 「醤油」

緊急事態宣言がかかったまま梅雨が明けてしまい、「週末ウォーキングがてらの食べ歩き」という言い訳も難しくなったこの週末。しかしまだ、夏本番の暑さではないし、連続ゲリラ豪雨からの開放感もあって、今日は以前ホームグラウンドにしていた築地・銀座・新橋あたりの裏通りを歩いてみることに。まずはスタート点築地駅近くの新店「TAKETONBO」で腹ごしらえ。

7月オープンのこのお店、不勉強にして岡山のご当地ラーメン「笠岡らーめん」のことは何も知りませんでしたが、戦前からあった系譜とかで、地元有志による「ラーメンのまち笠岡全国展開プロジェクト」により知名度アップに努めているとのこと。メニューは「醤油」か「塩」の2系統、スマホでググる限り地元店は醤油系が多いようでしたので、「醤油」(780円)に「味玉」(120円)つけて、ポチッとな。
イイ感じで、アカ抜けない田舎っぽさが魅力の丼景色。まずは、スープをひと口……おぉ、コイツはなんともパワフル。能書きでは親鶏と魚介のダブルスープとありますが、笠岡ラーメンでは日本在来種の黄鶏(かしわ)の親鳥を使うとか。そのせいか非常に濃厚な風味で、「ゴンッ」と硬質な響きが舌に伝わるほどの、パワフルな味わい。醤油も比較的濃いめに使っており、鶏油もかなり多めに残して……随所に感じるワイルド感と田舎臭さ。
麺は、中太ストレート。多加水麺をムチムチにゆであげて、麺の色などからも、なんとなくラーメンショップ的なワイルド感を感じたり。ツルリとしたノド越しと、モチッとした食べ応え、かなりボリューム感を感じさせる食べ応えで、押し出しの強いスープに対してガップリ四つ。
具材は、鶏チャーシュー2種とメンマ、九条ネギと追加の味玉。鶏チャーシューは低温調理のムネ肉と、濃く味付けた親鶏肉の2種で、どちらも出色の出来ですが、特に後者が面白い。親鶏の皮付近の肉を使っているためか、コリコリと強い歯ごたえと、ガッツリと濃い味付け。味云々というよりも、この味・歯応えによる「キャラクター」感が、スープ・麺の田舎臭さに見事にマッチ。黄身も白身も濃く味付けた、やや無粋な味玉も、全体の雰囲気に合っていますが……岡山のご当地ラーメンに、なぜ京都の九条ネギが必要なのかは意味不明。

1910年の「浅草 来々軒」を事実上の起点として、関東大震災により全国に広まったラーメン店。その飛び火のひとつが、広島・福山市のお隣笠岡市にも根付いていたとは、広島生まれの私としても誇らしいこと……なにせ広島は、原爆で「戦前」の人と文化の全てが「蒸発」してしまい、お好み焼きもラーメンも、死に絶えた街に入ってきたり帰ってきたりした人々によって新たに作られた文化。戦前から続く食文化はすべからく、広島市生まれの人間には眩しく感じられますなぁ……核兵器とはかくも深い傷跡を、人の食文化にも残すのです。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking
- 関連記事
-
-
らーめん 七彩飯店@東京 「喜多方らーめん」 2021/09/18
-
天金狗@東京・日本橋 「ゴマタマつけ麺」 2021/08/21
-
笠岡らーめん TAKETONBO@築地 「醤油」 2021/07/27
-
牛骨ラーメン 香味徳 銀座店@銀座一丁目 「香味徳」 2021/07/13
-
東京ラーメン 来々堂@茅場町・水天宮 「醤油ラーメン」 2021/04/04
-
スポンサーサイト
コメント