2022/02/19
魚と豚と黒三兵@飯田橋 「魚豚骨ラーメン」

オミクロン感染も今が盛り、毎日電車通勤しておきながら、週末の食べ歩きをためらうのもなんか変ですが……とにかく電車乗り換えや、地下道・商業設備・繁華街通過が極力少ないルートで検討した結果、飯田橋「魚と豚と黒三兵」が候補に。西口から早稲田通り、大神宮通りと地上を歩き、目白通りに突き当たるあたりにお店はあります。

昨年12月オープンのこのお店、魚料理系の居酒屋などを運営する会社が2019年くらいから展開し始めたブランドで、西新宿、御徒町に続く3店舗目のようです。メニューはラーメンが「魚豚骨」と「魚出汁」、つけ麺が「魚豚骨」と「激辛魚豚骨」というラインナップ、サイドメニューでは「ラーメン出汁鯛茶漬け」なんかも自慢のようです。まずは、筆頭「魚豚骨ラーメン」(850円)をポチッとな。
刻みタマネギとカイワレが、逆に「濃厚」感を演出してくる丼景色。まずは、スープをひと口……かつて流行した「またおま」的な世界からは、一段高いステージにある完成度。「魚豚骨」の名の通り、魚出汁が主で豚骨が従、魚出汁はサバ・ウルメ・焼きアゴ・アゴ・サンマの5種類使用で、実はどれもかなりクセのある食材ですが、クセを感じさせず「力強く調和」した領域に風味・旨味を結実させているあたり、技術の高さは半端ではありません。この魚介系を活かすべく、豚骨は濃度や野趣を抑え、ゼラチン質主体の穏やかな味わいにまとめてあり、両者の相性は実に見事。鹿児島産・愛知県産のこだわりの醤油をつかった醤油ダレも、出すぎず黙らずいい塩梅に、コクを加えてきます。
麺は自家製で、やや細めの中太ストレート。口あたりは少しボソッとしていますが、独特の「粘り」を感じさせる歯ごたえで、結構ユニーク。麺肌の粒々で分かる通り全粒粉使用で、噛むと豊かな甘味が広がりますが……どういう事情なのか、麺はかなり短く切り分けられており、多めに頬張って小麦の甘さを満喫しようにも、箸で必要量をつまむのは容易ではありません。家系のように、もっと太麺なら短めもありですが……さて。
具材は、チャーシュー、味玉半個に、刻みタマネギ・カイワレ・ネギといった薬味類。チャーシューは肩ロースの薄切りが4枚ほど、濃厚豚骨魚介の全盛期、関東ではチャーシューにもボリュームとインパクトを求める風潮にありましたが、こうした薄切りチャーシューを濃厚なラーメンに合わせる方向性は、京都など関西系の趣向。京都に住んでいた私にとっても、「アリ」な合わせ方ですな。味玉のクォリティもなかなかです。
そして特筆は卓上の高菜で、辛さはほとんどないかわりに旨味タップリ。これを多めに投入しますと、魚介系・豚骨系のイノシン酸系の旨味成分に、高菜のグルタミン酸系旨味がドカンと効いて、旨味のシナジーがハンパない。豚骨魚介に高菜を入れるという発想も、豚骨魚介全盛期にはありませんでしたなぁ……いやぁ、コイツは目からウロコ。

2019年、西新宿店を紹介した記事を見ると、このお店を立ち上げたのは「サバ6製麺所」出身の方とか。先日「サバ6製麺所」で食べた印象ともピッタリ合うし、そういわれれば関西的「異文化」な趣がただよいますな……関東であれほどもてはやされ、陳腐化し消えていった「豚骨魚介」文化。それを蘇らせるには、関東ではない価値観が必要だったということでしょう。そういえば「サバ6」の「サバ豚骨」もまだ未食、関西発の「豚骨魚介ルネサンス」を、もう少しフォローしてみましょう。
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