2022/06/25
神楽坂家系ラーメン モンタナ@牛込神楽坂・神楽坂 「ラーメン」

初夏を思わせる日差しの土曜、今年初めて半袖を着て、飯田橋から神楽坂へ。この坂は、飯田橋から登り切って善國寺の前あたりまでは、道行く人の高齢者比率はかなり高めですが、そこから神楽坂駅方向に下りはじめると、急に若者が増えてきます。その若者文化圏に入ってすぐの「モンタナ」へ。

4月オープンのこのお店、アメリカンでおしゃれな外装・内装。アメリカンなのに家系店というミスマッチが面白く、場所柄もありお客さんはほとんどが若者で、券売機の「学生さんライス無料」も場所柄ですな。家系店ゆえメニューは基本「ラーメン」一本、具材マシマシの「モンタ麺」がウリのようですが……いつものように、「ラーメン(並)」(700円)と「ホウレン草」(100円)を、好みは全部フツーで。ラーメン高騰のこのご時世、トッピング増しで800円とは、なんともありがたいプライシング。
表面の脂と豚骨の混じり方など、どことなく「六角家」系の雰囲気を感じる丼景色。まずは、スープをひと口……いや、中身も最近の都心新店では珍しく、「六角家」系と言ってよいのでは。ゼラチン質の炊き出しにフォーカスし、トロッと仕上げた濃厚豚骨。見かけほど脂っこくないためクドさも小さく、カエシも豚骨の旨味を盛り上げるエスコート的な使い方で、塩濃く豚骨濃い家系とは一線を画すような、万人受けするスタイル。パンチはほどほどでも味わい深い、なかなかよい仕上がりの家系です。
麺は、太めの中太で断面が少し扁平、屈曲させて短めのカットという、典型的な家系麺。ただ、フツー指定でも結構カタめのゆで上げで、このあたりはこの店のターゲットである若者前提のセッティングかな。家系麺のなかでもシッカリとした小麦の風味で、ツルリとした口あたり・ノド越しや強いコシなど、この文句なしのクォリティは、家系御用達系の製麺所かしら。
具材は、チャーシュー、海苔とネギがごく少量、それに増量したほうれん草。注目のほうれん草は、非常に風味のよい素材を使用しており、ゆで加減・搾り加減とも絶妙で、スープを薄めることなく、ほうれん草本来の豊かな風味を、スープ・麺にアドオンします。このコンビネーションは極めて高度で、家系好きなら一食の価値ありですな。チャーシュー、海苔は標準的なクォリティ。

卓上アイテムはかなり充実しており、ニンニク・生姜、豆板醤とはやや違う「唐辛子」に、辛子高菜ではない「高菜炒め」、それとカエシに酢。面白かったのは「高菜炒め」で、ちゃんと辛味も付いているうえグルタミン酸系の旨味が強く、豚骨とシナジーして「猛威」をふるいます。この高菜をほうれん草と混ぜ、さらに麺・スープと絡めると、これがまた実に「カタルシス」ですな……「唐辛子」も、シンプルで「素直」な辛味が特徴で、ラーメン全体を「スキッ」と綺麗に整えます。

「六角家」は、家系のなかでは比較的クセのないマイルドな系統で、それゆえカップ麺として成功し全国に知れ渡りましたが……2020年に破綻。しかし、本来豚骨濃く塩っぱい、万人受けには程遠いこの「家系」という「ご当地麺」を、全国区に押し上げた功績は、これからも語り継がれることでしょう。その系統を受け継ぐと思われる店が、こうして都心のど真ん中にできるのも、また次世代へ向けて夢のある話と言えましょう。
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