2022/07/09
デイトセイ@高田馬場 「全粒粉極濃つけ麺・デイ」

すっかり夏日となった金曜日、何ヶ月かぶりに新宿方面でお仕事。今回もあちこちに宿題店が溜まっていて、どこへ行くか迷いますな……今日は暑く、つけ麺的な気分だったので、濃厚つけ麺がウリの新店、「デイトセイ」へ。場所は、高田馬場さかえ通り沿い。

3月オープンのこのお店、「デイ」とは「泥」=ドロドロ濃厚つけ麺を表し、「セイ」とは「正」=たまり正油ラーメンを表しているとか。メニューは「全粒粉極濃つけ麺・デイ」「たまり醤油ネオ中華そば・セイ」「香味野菜オリエンタルまぜそば・イン」「山椒麻婆四川まぜそば・ヨン」と、丼が2種。店名も券売機のレイアウトも、まずはつけ麺を押し出しておられますので、ここは「デイ」(950円)を、ポチッとな。
粘度があまりに高いため、つけ汁表面が自ずからデコボコしているという、インパクトある丼景色。まずは、つけ汁をひと口……おぉ、見かけとは裏腹に、外連味のないマイルドなスタイル。いわゆる「豚骨魚介」的な見かけですが、動物系のコクがフワッとしていて柔らかく、鶏系の濃厚感にも思えたり。これに絡む魚介系も、魚粉ザラザラといった雑な加え方ではなく、雑味を抑えて旨味だけをシナジーさせる、実に丁寧な絡ませ方。タレによる調味も極めて抑え気味で、味のトガリを抑え、滑らかにマイルドに整えた、気品すら感じる上品なお味。
次に麺をひと口いただきますと、全粒粉の豊かな甘味と香ばしさを、敢えてエッジを立てず滑らかに整えて、力強く押し出すという、どこかつけ汁と似たストロング・スタイル。両者とも味としては「濃く」はないので、ここはタップリとつけ汁をまとわせて、ジュルリとひと口いただきますと……いやぁ、「本物」だけがもつ力強さですなぁ。もともとつけ麺は、味濃いつけ汁で麺をサラリとすする、そんな食べ物でしたが……麺もつけ汁も、力強いのに味濃くなく、悠揚迫らぬ「整った気迫」が、シンシンと舌に押し寄せるという、なんとも希有な食体験。
具材は、麺皿にチャーシューと三つ葉、それにつけ汁には薬味のネギ。チャーシューは、肩ロースを低温調理して薄切りにしたもの、全てにおいて「味を抑える」というこの一杯のポリシー的にはこれで正解なのでしょうが、存在感として弱い。具材だけ味濃く合わせるという方法論でも、面白かったかも。

「濃厚つけ麺」に対する業界的な常識から、180度異なる解釈を示して「濃厚」と「気品」をシナジーさせた、驚くべき逸品。「つけ汁をいかに濃厚にするか」、この命題に対して「動物系を濃く猛々しく」、「魚介系を荒々しく」、「調味をもっと濃く激しく」という発想が、これまでの常識にとらわれた考え方で、これを心理学・社会学の世界では「フレーム」と言います。この「フレーム」から発想を開放し、従来の座標軸にとらわれない視点から解決策を考えることを「リフレーミング」と呼びますが、まさにそれを具現化した一杯。機会がありましたら、是非。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking
- 関連記事
-
-
らぁ麺や RYOMA@飯田橋 「らぁ麺」 2022/10/30
-
デイトセイ@高田馬場 「全粒粉極濃つけ麺・デイ」 2022/07/09
-
神楽坂家系ラーメン モンタナ@牛込神楽坂・神楽坂 「ラーメン」 2022/06/25
-
麺屋 翔 みそ処@西新宿・新宿 「みそらーめん」 2022/03/26
-
中華麺 多文@飯田橋 「中華麺」 2022/01/23
-
スポンサーサイト
コメント