2023/03/26
つけめん・らぁめん 本田麺業@神田 「自家製手揉み つけめん」

東十条の大行列店「ほん田」、一昨年(2020年)に秋葉原へ進出してきたときはかなり驚き、なんとか行列回避できないかと、雨・風など悪条件の日を選んで3回ほどチャレンジしましたが……いつも大行列。1月、神田にセカンド・ブランド店「本田麺業」ができたと聞いた時も、所詮縁のない店と思っておりました。

週末ウォーキングの起点となる神田駅北口へ移動中、なにげなく西口の「本田麺業」前を通りがかりますと……なんと、営業中なのに行列がない。入口から店内を伺っても、わずかながら空席あり、是非もなく入口脇の券売機へ。
麺メニューは、「自家製手揉み」を冠する「つけめん」「らぁめん」で、いずれも醤油と塩があります。トッピングも、「焼豚」とは別に「大山どり」「鴨ロース」「海老雲吞」などがあるユニークなラインナップ、「おかわり つけスープ 醤油・塩」が300円というのも、面白い趣向ですな……まずは、筆頭メニューと思われる、「自家製手揉み つけめん 並」(1,000円)を醤油で。支払いは現金の他、クレジット、交通系電子マネー、QR決済に対応。
オーダー後15分ほどで、「大山どり」と味玉が麺皿に載る「上」が配膳されかけましたが、オーダー違いを指摘すると、2, 3分後には食券通り「並」が到着、リカバリが早い。まずは、つけ汁を一口……なるほど、コイツは高度なワザ。卓上のQRコードから能書きが読めますが、大山鶏、国産豚、乾物などからとったというベーススープ、どちらかといえば鶏主体で旨味重視の味設計。醤油ダレも、濃さよりも旨味重視の設定ですが、両者がクロスするとコクがグンと深まり、結構強めの酸味が加えられていますが、風味・旨味はビクともしないという……さすが「ほん田」と唸るしかない、ハイクォリティ。

麺は、ご覧のような超幅広の平打ち手揉み縮れで、店内の製麺コーナー(写真は下掲)で打った自家製麺。当日ちょうどカウンタの左端に着席していましたが、真横に合ったのがご覧のような「もち姫」の粉袋。「もち姫」って「うどんやパンに使う粉では?」と思いつつ、そのままひと口いただきますと、プルプルッとしたビビッドな口あたりと、モッチモッチと超重量級の弾力とコシ。それに、能書きでは「限界の加水率」で打った多加水麺だということですが、これが噛めば噛むほど実に甘い。
コイツをつけ汁にくぐらせ、ズバァ~~ッっとイキますと……サラリとしたつけ汁に、ツルッツルの麺肌の組み合わせは、いくら縮れがあるとはいえ汁持ち上げはイマイチで、しかも麺の風味・甘みも強いとあっては、さすがに麺が勝ち気味。こういう場合は、つけ汁の丼を持ち上げて、縁から麺とつけ汁をズズズ~~ッとすすり込むに限るのですが……いやぁ、コイツは美味い。酸味のキレで引き締まる、鶏豚の旨味とコクと醤油のコクが、麺の風味・甘みと深くシナジー。こういう高みのカタルシスは、久方ぶりですな……さすが「ほん田」、見事な完成度。
具材は、チャーシュー、メンマと、薬味のネギ。チャーシューは、厚切りを細く切り分けたものに、端の切り落としがガッツリ入り、結構スゴい量になっていますが……これはおそらく、オーダーミスに対するお詫びが含まれていると思われ。煮豚タイプにして脂分を抑え、肉の旨味を淡白に表現して、つけ汁のコクと麺の甘みに合わせようという設計思想で、このあたりもさすが「ほん田」、文句のつけようがない完成度。メンマもよく考えられており、食感はコリコリとカタめで、醤油味濃いめ。これもプリモチの麺に絡むことを計算した設計で、実際見事な食べ心地。ちなみにネギは、京都の九条ネギ使用で、少量ですがザックザク。
スープ割りをお願いすると、「柚子か生姜か」を訊かれます。このつけ汁は、酸味によるコクの演出が絶妙なので、これを壊さないよう「生姜」でオーダー。すると、ごらんのようなカップで割りスープが提供され、コイツを加えていただきますと……酸味がスッと消えて、動物系と醤油のコクが、今度は生姜でアクセラレートされるという、新潟長岡の味空間。最後まで楽しませていただきました。

つけ汁と麺のバランスのとり方に、食べ手側のひと工夫は必要ですが、それをクリアした先にあるのは……おそらく現時点で、日本最高峰の味空間。正直言って最近食べ歩くほどに、「値段は高くなったけど、味のレベルは明らかに落ちてきたなぁ」とシミジミ感じておりましたが……この一杯で、少し気を取り直しました。厨房に「ごちそうさま」とあいさつすると、それを待っていたかのように席の近くまで来てお礼をしてくださった方……私の記憶に間違えなければ、「ほん田」の代表、本田裕樹さんじゃないかしら。オーダーミスのお詫びだとしたら……さすが「一流」は、違いますなぁ。
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