2023/07/02
拉麺 はま家@小伝馬町 「しそ塩そば」

極度の体調不良のまま、2週間働き詰めた強行日程、おかげで週末ウォーク&食べ歩きも3週間ぶり。平日昼営業のみだった六本木の間借り店が、路面店としてオープンしたと聞きつけ、小伝馬町へ。

6月オープンのこのお店、2017年に仙台で創業し、2021年に六本木の餃子店で間借り営業開始。その実力の高さはすぐにネットで知れ渡りましたが、なにせ平日昼のみ営業では……それが路面店になり、土曜も夜も営業となってチャンス到来。メニューは「しそ塩そば」「ゆず塩そば」「牡蠣とあさりオイル塩そば」「同醤油そば」の4系統、「黒毛牛すき重」(500円)などご飯ものも充実しております。まずは筆頭系列から「しお塩そば」(1,000円)をポチッとな。
おぉ、丼上部に多めに広がる青じそオイルが、「嵐の前の静けさ」を暗示する丼景色。このオイルを混ぜずに、まずはスープをひと口……いわゆる和風の「貝出汁」にとらわれない、豊かで奔放な表現力で、コイツはスゴい。メインは濃厚な蛤出汁ですが、六本木時代から牡蠣やアサリなども使い、しかもそれらを一部「貝油」にして使っているといわれており、確かにスープ表面に黄金色の油が浮いていたり。この油にオリーブオイルを使っているような雰囲気で、さらに大葉オイルも混じり込んで、券売機にあるような「ボンゴレみたいな貝のパスタ」的な雰囲気で、お味も超濃厚。出汁にたよらずオイルベースで味わいと濃厚感を打ち出していくという、和とイタリアンなアプローチのハイブリッドですな。
麺は、菅野製麺製の中細ストレート。湯切りのスタイルが面白く、テボの中で箸で麺線を整えながらゆで湯をスムーズ落としつつ、丼にあけた時点ではすでに麺線が整っているという、初めてお目にかかるテクニック。味わいは、北海道産小麦特有の穏やかで力強いものですが、ツルリとした口あたりとノド越しが、どこかパスタのような雰囲気もあって、スープの表現手法とドンピシャリ。「ボンゴレみたいな貝のパスタの感じ」という、まさにイメージ通りの仕上がり。
具材は、チャーシュー、蛤と、メンマにホウレン草。注目はメンマ(券売機上では「湯葉筍」)なのですが、終盤までメンマだと気づかず(「かんぴょう」かな?と思っていた)単独写真がなくゴメンナサイ。どうやら貝オイルや塩ダレで直接味付けてあり、この一杯のエッセンスのようなキリッとした味わいが、スープや麺に強いメリハリを加えていって、いやぁ……コイツは絶品。「特製」にすれば別皿でタップリついてくるようですが、トッピング追加もおススメです。

味空間を、出汁で形成する和の技術と、オイルで形成するイタリアンな技術をハイブリッドさせて、和でもイタリアンでも到達できない、「異次元」への道を拓いて見せた一品。私も学生時代を京都で過ごしていた頃に感じましたが……日本に蔓延する既存の価値観にとらわれずに、目のさめるような「異次元」への道を拓く天才は、既存の価値観が最も濃密に充満する東京では生まれない。そしていま、「異次元」への扉が目の前で開きつつあります。まだ梅雨真っただ中ですが、仙台が生んだ革新的な「夏への扉」に、拍手。
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