2023/07/23
日本橋 らぁ麺 めだか堂@新日本橋・神田 「熟麹もろみ醤油のつけそば」

土曜昼時は、熱中症予報で「危険」となってしまい、実際猛烈な暑さと湿度。加えて少し降っては日が照って、繰り返し蒸し返すという……ウォーキングは諦めて、新日本橋の新店「めだか堂」へ(写真は神田駅南口、お店は新日本橋駅からとほぼ同距離)。

6月オープンのこのお店、あの「支那そばや」プロデュース店で、PB食品開発の会社とのコラボで立ち上げたとか。「めだか」とは、こだわり抜いた麺と出汁とカエシの、それぞれ頭一字をとって名付けたそうです。特に、カエシに「もろみ」という、まだ発酵熟成中で醤油となる手前の素材を使っているところが特徴だとか。

メニューは「熟麹もろみ醤油」の「醤油らぁ麺」と「醤油つけそば」。初訪なので筆頭メニューの「醤油らぁ麺」からいくべきところですが、なにせ地獄のような蒸し暑さから逃れた直後ですので、申し訳ありませんが「醤油つけそば」(1,200円)でいかせていただきます。なお、オープニング・サービスなのか、卓上のQRコードから同店のインスタをフォローすれば、味玉サービスとのこと。メニューを見ると、「名古屋コーチンの半熟味付け玉子」は300円もするじゃないですか……普段はチラシ・サービスなどは使わない私ですが、思わずフォローしてしまいました。
華やかさと深さを併せ持つ、ダークブラウンのつけ汁が、印象的な丼景色。まずは、つけ汁をひと口……いやぁ、少なくとも私は経験したことのない、「和」にして「革命的」な味わい。主役はやはりカエシで、大豆を発酵中ゆえに醸されるこの「もろみ」。醤油のような味噌のような、まろやかにして深く濃い味わいを中心に、麹で豊かな「まろみ」が加えられ、さらに酒粕や魚介で甘みと旨味が加えられるという……実にまろやかで、実に深みのある味わい。このカエシに対してベースの方は、軍鶏や地鶏を念入りに組み合わせたもので、驚くべきことにあの重厚なカエシに対して、全く負けていません。いやぁ、コイツは凄い。
あの「支那そばや」のことですから、麺については盤石の仕上がり。北海道産小麦を使い、多加水麺なのに豊かに小麦の風味・甘味が伝わってくるところが、「ラーメンの鬼・佐野」マジックですな。口腔でうねるようなしなやかさと、喉奥へ向け跳ねるようなビビッド感、「支那そばや」ならではの完成度ですな。少量の昆布水に浸しての提供ですので、その味わいも最大限に高められています。コイツをつけ汁にくぐらせ、ズバァ~~ッとイキますと……このカタルシス、いやもう、言葉になりません。目を中空に泳がせながら、この極上の世界にひたる幸せ。食べ歩きをしていてよかったなと、しみじみ感じる瞬間ですな。

具材は、チャーシュー、メンマ、海苔にネギ、そして追加の味玉と味変用の果汁。個人的に、特に強調したいのはこのネギ。実に深く円熟した味わいの「もろみ」や麹・酒粕、これに完成度MAXの麺や地鶏スープなど、すべてがまとまり「閉じた」味空間を作りがちなこの料理だからこそ、細切りにして辛味・風味を強調したこの青ネギが、目を見張るような「薬味」効果を発揮します。
さらに強調したいのは、味変用に添えられた果汁で、中身は「四万十ぶしゅかん」という、ライムのような柑橘類。高知では「酢みかんの王様」と呼ばれているようですが、実に鮮やかにして爽やかな酸味、つけ汁にはもともとわずかな酸味が加えられていますが、この果汁を少しずつ加えることで、重厚で「閉じた」味空間に爽やかなキレが増していき、味空間が舌に対してだんだんと解放されていく過程を体感できます……味玉のレベルの高さも、画像をご覧になればすぐご理解いただけるかと。
割りスープは、メニュー記載では(写真は上掲)「羅臼昆布とめだか堂鶏出汁の追いだし」。コイツをまた、少しずつ加えながら味わえば……濃厚にして重厚な序盤のストーリーが、様々な刺激が加わって大きく激しく展開し、それがベーススープの鶏と昆布の旨味に、収斂しつつフェードアウトしていくような味の展開。特に、麺を浸した昆布水が、最後に「伏線」として回収されていくあたりが、ドラマ性を感じさせますな……

一説には4%を越えつつあるというインフレ時代、ラーメンもデフォで1,000円越えが当たり前のようになっており、牛丼やカレーなどマスプロ製品とは違う存在であることが明白になってきましたが……文句なしに、時代の最先端と最高峰を同時に実現させた、「至高」の一杯。映画にもリピーターの方がおられますが……私が次回行列なしに、このクォリティでこの一杯を食べられるなら、この「醤油つけそば」に3,000円払っても不満はありません。ラーメンとはそういう「至高」を追求すべき存在だと、厳しく広く教えて下さった佐野実氏に、拍手。
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