2011/09/02
福聚@小伝馬町 「チャーシューメン」
メッキリ涼しくなったお陰で、夏の疲れがゴッソリ出てきてしまった月曜日(29日)。早めに会社を切り上げ、マッタリできそうな小伝馬町「福聚」へ。地下鉄駅のある大きな交差点のカド地という、商売的にはベスト・ロケーション。しかし店名表記もなく、赤テントに「中華料理」の暖簾一つという、飾り気のない外観です。

店先の貼り紙で、「外は暑いけど、お店は涼しいよ」と、飼い猫らしきチャラ君が猛アピール。ドアを開くと……そこは「昭和」。それも、私が子供だった昭和40年代の中華屋さんの風景が広がっておりました。

メニューはご覧のとおりで、「国民的メニュー」がキラ星のごとく勢ぞろい。450円の「ラーメン」や、なぜかそれより140円も高い「シオラーメン」なんかも気になりますが、とりあえずは「チャーシューメン」(610円)で。

では、スープを一口……一見、何のことはないシンプルなスープ。しかし、鼻に抜ける心地よい鶏の香り、ストレートな昆布の旨み、そしてジンワリとした野菜の甘み・透明感、これらを熟成され切ったバランスで一体化させながら、シックで重みのある醤油カエシで仕上げています。シンプルさゆえ数少ない味のポイントをビシッと押さえ、よくありがちなケミカルによる旨みの過剰感もない。昔ながらにバッサバッサとホワイト・ペパーをふりかければ、また一段と味が引き立ちます。

具材は、チャーシュー、メンマ、固ゆで卵半個に、ワカメ・ネギ。小型ながら厚めに切り分けたチャーシューは5枚、モモ肉のようなミッシリした食感で、地味な味がシッカリしみ込み、これをスープと一緒にジックリ噛みしめる快感は、オジさんには「恍惚」モノ。さらに白眉はネギで、全体のバランスを知悉した絶妙の分量、「薬味」とは何かを知り尽くした使い方です

「様式美」であるなら、「型どおりにやれば、誰でもソレっぽくやれる」のかといえば、さにあらず。歌舞伎でも日本舞踊でも、さらには空手なんかでも、誰でも知っている一つ一つの技を、誰にも出来ないレベルでこなし尽くして、はじめて辿り着くのが「様式美」。この深い色のスープに、その底知れぬ「奥深さ」が見て取れます。
店舗情報は、こちら。
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