2011/10/20
一真軒@国立競技場 「ラーメン」
信濃町方面で用事を済ませ、太陽を覆う雲を見上げながら、「これなら『一真軒』まで歩けるかな」などと思えはじめました……7月オープンのこのお店、「千駄ヶ谷・国立競技場」「外苑前」「北参道」といった駅のちょうど中間、それなりに歩きが必要ですが、真夏の炎天下ではちと辛い。秋になるまで待っておりましたが、チャンス到来のようです。
しかし歩いてみると、「信濃町」駅からはやや遠く、おまけに道を間違えグルリと遠回りしてしまうわ、途中から日照りとなってしまうわで、「霞ヶ丘アパート」に着いた頃には、結構な汗。

団地あるところ商店街ありということで、「一真軒」もアパート近くの商店街路地奥に潜んでおり、「ラーメン」提灯とノボリが目印です。

4人掛けテーブル2席とカウンター3席のみのこじんまりとした店内、豚骨専門店ですので、メニューも「ラーメン」とそのバリエーションのみです。汗をふきふき、「ラーメン」注文。
厨房はご主人の一人で切り盛り、寸胴で沸き立つお湯に、博多麺をパラパラと慎重に投入、平笊さばきも見事なもので、湯切りも非常に丁寧です。北九州の名店のご出身との噂もありますが、さもありなん。丼は、約4分で到着。
では、スープを一口……いやぁ、実に「伸びやか」な美味さ。昨今の「濃厚豚骨」に汚された舌には一瞬薄く感じてしまいますが、すぐに豚骨の風味・旨みがふくよかに舌の上に広がって、それでいてクドさ・重みを一切感じさせないところが、逆に新鮮。カエシの塩梅も絶妙で、塩加減で適度なキレを加えつつ、繊細なタッチで豚骨の風味に輪郭線を加えていきます。

麺がまたいい。注文時に麺の固さは聞かれませんが、極細の博多麺をバリカタ程度にゆで上げており、ポリポリと軽快な歯応えもさることながら、落ち着きのあるシッカリとした甘みがあって、本場の「凄味」を感じさせます。あまりのクォリティに、思わず「半替玉」(100円)してしまいました。
具材は、薄いチャーシューが3枚と海苔・ネギのみと、潔い構成。しかし、チャーシューの味や食感・量は実に吟味されたもので、スープ・麺による珠玉のコンビネーションを盛り立てつつ、麺の軽快な食感をそっと「補完」しています。

久留米系の濃厚な豚骨が「油彩画」とするならば、長浜系の軽快な豚骨は「水彩画」とでもいうべきもので、どちらも「豚骨の美味さ」を伝える一手法。この一品は、どちらかと言えば長浜系なのかもしれませんが、やや深く炊き出しながら油分を抑え、ストレートに豚骨の味を打ち出す手法で、表現力として「軽快」というより「伸びやか」と評した方がピッタリかも。「水彩画」の名品に出会ったような、清々しい気持ちにさせてくれた一杯でした。
店舗情報は、こちら。
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