2015/11/12
ラーメン 蟻塚@水道橋 「塩ラーメン」

家族が女子会に出かけてしまった週末夜、一人で留守番しておりますと、「食事して帰るから(勝手に何か食べといて)」との無情の連絡。取りあえず水道橋まで移動して、某新店をのぞいてみますがスープ切れ。さてどうしたモノかと、三崎町の六差路で頭をひねる訳ですが……ちょっと気になっていた「蟻塚」に行ってみることに。

今年2月オープンのこのお店、清湯と白湯の「塩」を主軸に、「あさり」「ゆず」「梅しそ」などのバリエーション、辛味をきかせたシリーズや「味噌」など、結構豊富な品ぞろえ。とりあえず、看板メニューの「塩らーめん」(670円)を、ポチッとな。1、2階席合わせて29席ありますが、厨房はご主人一人で切り盛り、そのためか注文から配膳まで結構時間がかかります。
では、スープを一口……うん、個人的にはリスペクトするタイプ。鶏と野菜の旨味がさりげなく混じりあう、素直でクリアな味わい。透明感あふれる野菜の旨味、クセを一切排した鶏の旨味、これらをストレートに伝えるよう調整された油の量、そしてシンプルな塩ダレ……ワザとらしいコダワリを感じさせない「さりげなさ」に、かえって「無言の迫力」を感じますな。
麺は、太麺・細麺から選べますが、この日は細麺指定。サッポロめんフーズ製でやや細めの中太ストレート、コシとノド越しを両立させるゆで加減で、味わいもサッパリ。こうした麺を、ジンワリとしたスープに合わせるのは結構勇気が必要ですが、「さりげなさ」の裏にある緻密な計算により、キッチリと両者擦り合ってます。さらにこの麺なら、白湯や味噌でスープ側のボルテージを上げて行っても、十分に対応可能ですな……

具材は、チャーシュー、メンマ、青菜に白髪ネギ、そして細かく刻んだネギとゴマをパラリと浮かべて、白髪ネギの上には柚子をひと切れ。バラ肉チャーシューは非常に柔らかく肉汁タップリ、この麺・このスープだからこそ、バラのコッテリ感が引き立ちますな。ネギ、胡麻の分量も、慎重に吟味されてます。

後半は、卓上の岩海苔でちょっと味変。その効果は劇的で、海苔の風味と旨味がフワァ~~と広がりますが……その分全体のバランスに強く干渉するため、ご覧の程度の量がオススメ。

飲食店が目指す方向性には、大別して2通りあると思います。ひとつは「非日常的で劇的な美味さ」、そしてもうひとつは「毎日でも食べたいさりげない美味さ」。新しいラーメン店が後者を狙う場合、結果は極端に短命に終わるか、異常な長寿店になるかで、非常にリスキーな目標設定になるのですが……確かな技術力に裏打ちされた自信によって、敢えて後者を選択した一杯。さりげない一杯に見えますが、これを再現するのは至難のワザ……是非再訪したいお店です。
店舗情報は、こちら。
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