2016/01/07
油そば商店 油坊主@三軒茶屋 「チャーシューしお」

(まだ昨年の食べ歩き)三軒茶屋の某大学にチョイと野暮用。終われば日もトップリ暮れて、首都高渋谷線を見上げながら、玉川通りをトボトボ駅に引上げ中……通り向こうに「油そば」の垂れ幕発見。そういえば、このあたりにユニークな塩の油そばを出す店があると、ずいぶん昔に聞いたことがありますな……ついフラフラと、歩道橋を渡ってしまいました。

ネット情報では2009年オープンとか、かつては渋谷や吉祥寺にも出店していたようですが、今はこの三茶のみ。しかし、玉川通り沿いとはいえ三茶でも人通りの比較的少ないこの場所で、しかも油そば専門で6年も営業しているとは……それなりの理由があるのでしょう。メニューは「担々」「しょうゆ」「しお」「トマト」の4系統、それにトッピングもずいぶんと種類豊富。「トマト」がかなり気になりましたが、それ以上に気になる「しお」系統から、「チャーシューしお並盛」(800円)をポチッとな。

油そばでこの値段は相当強気ですが、まぁ値段なりに見栄えのする丼景色。ちょいと麺・具材を箸でどけて、丼底を確認しますと……ほほぅ、なにやら白いタレがタップリ。コイツをよくよく混ぜ込みますと、ご覧のように「カルボナーラ」的な仕上がりに。
グイッと麺を持ち上げ、まずは一口……いや、コイツは食べたことない味。まず舌に伝わってくるのは貝類の旨味で、それを追いかけるようにキリッと塩の効いた、アッサリとしたクリームのような味わいが舌を包みます。麺は屈曲した太麺で、やや固めのゆで上がり。ムッチリとした口当たりと多少ソリッドな歯応えで、食べ応えは十分ですな。国産小麦のみ使用で甘みは上品にして繊細、その細身の体を絹のヴェールで包むように、タレと麺肌が絡んでいきます。
具材は、角煮にメンマ、モヤシに海苔・ネギ。薄口醤油で仕上げたのか、角煮に感じる醤油のコクは控えめで、それゆえ「しお」のコイツには実によく合う……いや、最初から「しお」用に作ったのかと思えるほど。タレがグアニル酸(貝類)系の旨味主体ですので、海苔の旨味(グルタミン酸系)と見事にシナジー、これならトッピングの「のり」(100円)なんかもイケそうです。

卓上アイテムも実に豊富で、全部合わせて10種類。能書き(写真は下掲)では「しお」には「ゆず」「レモン」「コショー」がオススメだそうで、それぞれ試してみましたが……これが、それぞれ見事な役回り。ボンゴレビアンコ的な風味も感じさせる一杯ですので、胡椒が合うのは当然ですが、ブラックではなくホワイト・ペッパーを持ってくるあたりが面白い。イタリアン的な「濃さ」が鼻につけば、「ゆず」「レモン」でサッパリ感をアドインできます。それに、「口直し」の鶏がらスープで舌をリセットできる点も、見逃せない演出ですな。

こんなエポックメイキングな一杯を知らずに、この店オープン後6年も、他で油そばを食べ歩いていたとは、恥じ入るばかり。クラムチャウダー的なタレをタップリ絡め、カルボナーラ的にいただいて、後味はどこかボンゴレビアンコ風にアッサリという……まさに「天才」を感じさせる一杯。これなら「トマト」も間違いなし、この辺りにはまた来ることになりそうですので、その際は是非。
店舗情報は、こちら。
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