2017/01/24
らーめん 田丸@目黒 「ラーメン」

小春日和だった年末年始がウソのように、ガチガチに冷え込んだ金曜夜。ラーメン食べずにはおられませんな……訪店を予定していた新店が、なぜか年明け早々休業に入ってしまい、行くアテを無くして立ち尽くす渋谷駅。こうなったら、思いっ切り古風な老舗にしますか。目黒は権之助坂の近辺へ。


小さなL字カウンター、新年会帰りなのか酔ったオッサンがゾロゾロ並び、皆モクモク煙草を吸ってます(全面喫煙可)……タバコ嫌いな方にはタマらない環境でしょうが、なんとも昭和な雰囲気が漂って、私のようなオジサンにもタマりません。年季の入った価格表もイイ感じ。
では、スープを一口……あぁ、やっぱりお味も、なんとも「昭和」。プチ・ワイルドな風味の鶏ガラスープ、醤油ダレは寸胴内で合わせて一緒に煮込んであり、深く馴染んで実にマイルド。昭和40年代頃、私がイヤというほど食べた下町のラーメンは、これよりもっと鶏のクセがでていて、ケミカルによる旨味づけも露骨でしたが……イヤミを感じさせずスマートに仕上げてある所が、さすが「目黒」。
麺は、微妙に太めの中太縮れ。中加水で少し柔らかめのゆで加減、ソフトな歯ごたえも実に「昭和」。かん水量や添加物に気を遣っているのか、麺肌が白っぽく素朴な甘み、しかしコイツがノスタルジックなスープに実によく合う。麺量は、標準よりも多少多め。
具材は、チャーシュー、メンマ、煮キャベツに薬味のネギ。チャーシューは、結構厚めが3枚入り、肩ロースのようですがモモ肉のようなミッシリとした食感に仕上げてあり、これを噛み込みながら絶妙の味付けを楽しむタイプ……いやぁ、なんともノスタルジックな美味さ。

一方、このキャベツはこの店のオリジナルのようで、非常に柔らかく非常に甘い。キャベツ本来の甘みを茹でで引き出しただけでなく、調味されたスープで煮込んであると見ましたが……古風に調和した世界で、ワンポイント的に味が引き立ち、しかも塩濃さでなく「甘さ」でアクセントをつけるあたりが、意外に斬新。

「高度成長期」だった1960年代、昼間汗だくで働いたオッチャンが、銭湯でひと風呂浴び鉢巻・ステテコ・腹巻姿で街の中華屋に集って、ビール片手にホルモンや餃子をつまみながら、シメに食べてたフツーのラーメン……いわゆる「カギっ子」だったため、一人でそんな中に混じってラーメンすすっていた少年にとっては、実に深い「くつろぎ」を与えてくれる一杯。当時の「くつろぎ」のなかで、タバコの煙はむしろ当然の「雰囲気」でしたが……バカボン・パパの鉢巻・ステテコ・腹巻姿が、「ネタ」にしか見えない若い人には、この「くつろぎ」はわかるまい。
店舗情報は、こちら。
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