2017/03/19
麺Dining 志道@東雲 「志道らーめん」

ニョキニョキ高層マンションが立ち並ぶ東雲、しかしラーメン店は近くのイオン東雲内くらいにしか無いという、おそるべき「ラーメン不毛地帯」です。そこに昨年9月にオープンしたのがこの「志道」、当然のごとく近隣住民が押し寄せて大行列、一度様子を見に訪れましたが、私のような行列嫌いが近づくのは「半年は無理」と見ました。そして約半年後、週末のウォーキングがてら前を通ってみますと……お、行列がない(写真は食後撮影)。それでも満員のようでしたが、ちょうど入れ替わりで入店できました。

1階のカウンター席は5席と狭く、2階はありますがテーブル席のみのようで、一人客は2階が空いていても1階席が空くまで待たされます。照明も間接のみで薄暗く、昼間はほとんど窓からの明かりのみ。メニューは鶏白湯の「志道らーめん」とそのバリエーション、さらに3月1日より「彩り野菜のアサリ鶏白湯つけ麺」がリリースされたようです(店舗写真の2階掲示参照)。しかしまぁ、ベースの鶏白湯は共通のようですし、実力を満喫するにはラーメンの方がよいでしょう。「志道らーめん」(780円)を注文(後払い制)。
「はい、お待ち!」と、カウンター越しに私の頭上から、片手で丼を差し出す店員さん。いまどき、都心では珍しい配膳スタイルですが、それはやめた方がいい……住宅地でお客さんにはお子様連れも多いことだし、手を滑らせたらどうするの。
まずは、スープを一口……うん、クォリティとオリジナリティがキチンと両立。比内地鶏を使った鶏白湯、結構な粘度が出るまで炊き出されていますが、気になるクセや臭いは一切なし、それでいて鶏特有の旨味や風味は驚くほど豊かです。また、ガラを一部ローストしているのか、あるいは香味野菜の関係か、独特の香ばしい風味が感じられ、コラーゲンが醸すサラサラ感とも相まって、飲み口にほどよいリズムを与えます。
麺は、浅草開化楼製の太縮れで、鶏白湯にこの種の麺は、結構異例な取り合わせ。しかも、パンパン・プリプリなゆで上がりで、モチッとした多少ヘビーな食感を楽しむうち、多加水麺にしては驚くほど強い甘みが広がります。マッチョな麺にスマートなスープの取り合わせ、まぁユニークといえばユニークですが……やや麺が勝ち過ぎのバランスかな。
具材は、鶏チャーシュー、ヤングコーン、味玉半個に水菜・刻みタマネギ、そして糸唐辛子がパラリ。鶏ムネ肉チャーシューは、ご覧のような分厚さ、下味もシッカリついた上にシットリとした食感で、コイツはなかなかの仕上がり。
甘みを多少抑えた鶏白湯に、炙りを入れて甘みをアップさせたヤングコーンを、メンマの代わりに使おうという工夫も、なかなかよく考えられたもの。ただ、麺が突出したバランスの一杯ですので、こうした具材のラインナップでは、食べ飽きは避けられませんな……糸唐辛子に努力の跡は見えますが。終盤は、卓上の黒胡椒バッサバッサで切り抜けました(これが結構美味い)。

こうした都心に近い高層マンション街には、働き盛りで小さなお子様を連れたご家族に加えて、生活利便性を求めて移り住んできたお年寄りも多いもの。そうした広い年齢層の好みに応えるのなら、スープはともかくこの麺はヤリスギかな……オープン半年もたたずして、週末ランチタイムに行列なしで入れる現状が、隠れた問題を物語っているかも。「ラーメン界」の中でのユニークなポジションを指向するか、「地域」に親しまれるポジションを指向するか、いつまでもラーメン店に付きまとう問題ですが、特にこの地域ではよく考える必要がありそうで。つけ麺食べに、また来ます。
店舗情報は、こちら。
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