2017/04/20
(さようなら)小麦と肉 桃の木@新宿御苑 「天使のらぁ油」

新宿御苑「桃の木」が4月21日に閉店するとか。7年前、女性スタッフのみの店として颯爽と登場し、ヨーグルトを使ったつけ麺や、ヨーグルトや桜を練り込んだ麺など、次々とイノベーションを生み出してきた、「天才肌」のお店です。6月には「新店舗」として生まれ変わるそうですが、こういう店ですので内容は一新されてしまうんでしょうな……最後の「桃の木」を味わいに、新宿御苑へ。

どうしても食べておきたかったのは、現在の筆頭メニュー「天使のらぁ油」(900円)。店内は13時半を過ぎてもずっと満員の上5~8人待ちで、私もちょっと躊躇しましたが、「今日を逃すと…」との想いで並びました。
つけ汁の、「深み」を感じさせる赤と黒のグラデーションが、食べる前からワクワクさせます。まずは、一口……おぉぉ、コイツは「シック」。ベースは、他メニューと同じく豚テールと煮干しによるアッサリ系のようですが、醤油ダレがガツンと濃く効いており、それを辣油で包み込んでいるような、そんな構成。醤油は濃口のようですが、味わいに生醤油のような「シック」な深みがあり、辣油も自家製なのか、辛味を突出させない落ち着いた味わい。あのピュアでフンワリとした味わいの「昆布醤油」のつけ汁とは、おそらく同じベースなのに対照的な味造り。

麺は、幅広の平打ち縮れ。唇に吸い付くようなシットリとした麺肌、ウブでナチュラルな甘みなど、なるほど「これぞ女性店の麺」と唸らせるような、魅惑の仕上がり。ただし、昔よりは少し固ゆでにしているようで、以前の「固めのわらび餅」のようだった食感ではなく、スピーディーなススリ心地を楽しめます。
コイツをつけ汁につけ、ズバァ~~ッとイキますと……純真な甘みの麺を、赤黒い「業火」が包み込み、醤油が「奈落」に導くような……まさに、「天使と悪魔」のコラボレーション。「桃の木」の「天才」が、ここぞとばかりに冴えわたります。

具材は、タップリの豚バラ肉に、細切りのネギ。辣油・醤油・小麦がせめぎ合う「天使と悪魔」の世界に、旨味と脂分という「煩悩」タップリの豚バラ肉汁がホトばしる瞬間は、まさに圧巻。ネギの薬味もまさに絶妙で……いやぁ、ホント「天才」。圧巻のドラマを楽しんだ後は、例によって「そば湯」で余韻を楽しみました。

「長い間ありがとう」、席を立つお客さんからも、次々厨房に声がかかります。最終日(21日)には歴代4人の店長が全員で店に立って、材料切れまで営業するとか。そのフィナーレは、さぞかし熱い瞬間になるのでしょうが……行列嫌いの私には、おそらく南極よりも遠い世界。最終日よりちょっとだけ前となってしまいましたが、稀代の「天才」による7年に及ぶ挑戦に、拍手。
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